令和5年 予備試験 論文式 行政法 出題の趣旨・論点・解説
問題
[行政法]
論点の一覧
出題の趣旨をもとに、採点で問われる点を整理したものです(配点は 100 点満点に換算した目安)。
設問1(1)
- 原告適格の判断枠組み(行訴法9条1項「法律上の利益を有する者」・処分の名宛人以外の第三者の原告適格、同条2項の考慮事項)8点
- 法の仕組み解釈①:一般廃棄物処理が市町村の事務であること(法6条の2第1項)と、業の許可が市町村による処理が困難な場合に限られること(法7条5項1号)8点
- 法の仕組み解釈②:一般廃棄物処理計画適合性要件(法7条5項2号)と計画の記載事項(法6条2項1号・4号)からの需給調整の仕組みの導出12点
- 既存業者(競業者)の営業上の利益の個別的利益としての保護と、Cへのあてはめ12点
設問1(2)
- 訴えの利益(行訴法9条1項括弧書)の意義と、期間経過による失効という問題の所在6点・簡潔に
- 更新制の仕組み(法7条2項〜4項)を手掛かりとした訴えの利益の存続の主張14点
設問2
- 一般廃棄物処理計画の策定・変更に係る市町村長の計画裁量の存否と司法審査の枠組み10点
- 新計画の違法性のあてはめ(事実誤認・評価の誤り・考慮不尽・他事考慮)と法7条5項2号要件該当性16点
- 法7条5項3号(施設・能力基準、規則2条の2)に関するDの事業遂行能力欠如の主張10点
全体
- 論理的構成・文章表現(条文摘示の正確性、設問への対応、論述の一貫性)4点・簡潔に
出題の趣旨(法務省公表)
本問は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「法」という。)に基づく一
般廃棄物収集運搬業の許可について、新規参入者に対する同許可(以下「本件許
可」という。)に対し既存の許可事業者が取消訴訟を提起するという設例の下で、
競業者の原告適格、更新制を採っている許可制に係る取消訴訟の訴えの利益の存否
に関する基本的な知識・理解を問うと同時に、本案での主張を判例及び参照条文か
ら組み立てる力を問う趣旨の問題である。
〔設問1〕(1)は、最判平成26年1月28日民集68巻1号49頁を手掛か
りにして、いわゆる競業者の原告適格を問うものである。問題文中に示された一般
廃棄物収集運搬業務の性質を前提として、一般廃棄物処理は市町村の事務であるこ
と(法第6条の2第1項)、他の要件と並んで、一般廃棄物処理業は市町村による
処理が困難であり(法第7条第5項第1号)、かつ一般廃棄物処理計画に適合して
いる場合(同項第2号)にのみ許可されること、一般廃棄物処理計画には一般廃棄
物の発生量及び処理量の見込み(法第6条第2項第1号)、並びに一般廃棄物の適
正な処理及びこれを実施する者に関する基本的事項(同項第4号)等が定められる
こと等の制度の仕組みを踏まえ、本件許可については、許可業者の濫立等によって
事業の適正な運営が害されることのないよう、一般廃棄物処理業の需給状況の調整
が図られる仕組みが設けられていること、それゆえ既存の許可事業者の営業上の利
益が法律上保護されていることを導く必要がある。
〔設問1〕(2)については、一般廃棄物収集運搬業の許可の有効期間が2年と
されていること(法第7条第2項に基づく政令)、更新の申請がなされた場合にお
いては、従前の許可は許可の有効期間の満了後も更新処分がなされるまでは有効と
されていること(法第7条第3項)等の参照条文から、本件許可については更新制
が採られており、本件許可の期間経過後も訴えの利益が維持されることを主張する
必要がある。
〔設問2〕は、本件許可の違法性を、参照条文を手掛かりにしながら事案に即し
て検討する力を問う趣旨の問題である。まず、申請の一般廃棄物処理計画への適合
を求める法第7条第5項第2号の要件に関して、最判平成18年11月2日民集6
0巻9号3249頁を手掛かりにして、同計画の策定及び内容の変更に係る計画裁
量の存否を明らかにしたうえで、新計画の違法性を、事実誤認、事実に対する評価
の誤り、考慮脱落及び他事考慮等の面から検討する必要がある。次いで、同項第3
号所定の設備要件及び能力要件に関して、問題文に示された事実を挙げつつ、Dの
事業遂行能力の欠如について論じる必要がある。
参考答案と AI 採点
この問題の参考答案(出題の趣旨と照合済み)は Pro で読めます。自分で答案を書けば、論点の一覧に沿って AI が採点し、参考答案と項目ごとに見比べられます。
答案を書いて AI 採点する出典:法務省「令和5年予備試験」(問題文・出題の趣旨。表示のため改行等を整えています)。論点の一覧・参考答案は AI を用いて X-Law合同会社が作成したもので、誤りを含む可能性があります。
