令和3年 予備試験 論文式 商法 出題の趣旨・論点・解説
問題
[商 法]
論点の一覧
出題の趣旨をもとに、採点で問われる点を整理したものです(配点は 100 点満点に換算した目安)。
設問1
- Cが適法に選定された代表取締役といえるか①――取締役会設置会社において株主総会決議でも代表取締役を定めうる旨の定款規定の有効性10点
- Cが適法に選定された代表取締役といえるか②――Aの承諾をもって株主総会決議があったといえるか8点
- 会社法908条2項(不実登記)に基づく主張12点
- 会社法354条(表見代表取締役)に基づく主張14点
- 乙社の請求の法的構成と結論の整理(契約の効果帰属と代金請求)7点・簡潔に
設問2
- 退職慰労金が取締役の報酬等(会社法361条1項)に当たること8点
- 返還請求の根拠と内容――具体的報酬請求権の不発生と不当利得返還請求11点
- Bの主張①――不確定額報酬(361条1項2号)と全株式を有していたAの同意11点
- Bの主張②――返還請求が信義則違反・権利濫用に当たるとの主張11点
全体
- 論理的構成・文章表現8点
出題の趣旨(法務省公表)
設問1では,Cと乙社との取引が甲社に効果帰属するための主張及びその当否を
指摘することが求められている。具体的には,①Cは甲社の代表取締役として適法
に選定された者といえるかにつき,取締役会設置会社における株主総会による代表
取締役選定に関する定款規定の有効性に関する議論(最判平成29年2月21日参
照)を前提に,Aの承諾をもって株主総会決議としてよいか,さらにCが甲社の代
表取締役であるとは認められない場合であっても,②Cが登記簿上は代表取締役で
あることから,会社法第908条第2項に基づき,甲社は乙社にCが代表取締役で
はないと主張することができないと解する余地があるか,あるいは③Cが表見代表
取締役(同法第354条)に該当するために,甲社はCの行為についての責任を負
うと解する余地があるかについて,検討することが期待されている。上記②及び③
を検討するに当たっては,大株主であるAの関与や代表者印の管理不備の問題をど
のように評価するかがポイントとなる。
設問2では,本件慰労金の返還請求の根拠・内容として,本件慰労金が取締役の
報酬等(会社法第361条第1項)に当たることを前提に,本件慰労金の支給につ
いて定款の定めも株主総会決議もないことから,Bは本件慰労金相当額の具体的請
求権を有しているとはいえず,本件慰労金は不当利得となることを指摘することが
求められる。本件慰労金の返還を拒むために,Bの立場からは,本件慰労金を不確
定額の報酬(同項第2号)と捉えて,AがBをスカウトした際にその支給を約束し,
かつその当時は甲社の全株式を有していたAがその支給について同意したと主張す
ることが考えられる。また,甲社における取締役報酬支給の慣行,AがBをスカウ
トした際の説明,及び本件慰労金の返還請求に至った経緯等を前提とすると,甲社
による本件慰労金の返還請求は信義則に反し,権利濫用に当たると主張することが
考えられる(最判平成21年12月18日参照)。
参考答案と AI 採点
この問題の参考答案(出題の趣旨と照合済み)は Pro で読めます。自分で答案を書けば、論点の一覧に沿って AI が採点し、参考答案と項目ごとに見比べられます。
答案を書いて AI 採点する出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文・出題の趣旨。表示のため改行等を整えています)。論点の一覧・参考答案は AI を用いて X-Law合同会社が作成したもので、誤りを含む可能性があります。
