令和6年 予備試験 論文式 商法 出題の趣旨・論点・解説
問題
[商 法]
論点の一覧
出題の趣旨をもとに、採点で問われる点を整理したものです(配点は 100 点満点に換算した目安)。
設問1(1)
- 財源規制違反の事実関係の整理(自己株式取得の手続と461条1項2号違反)6点・簡潔に
- 財源規制違反の自己株式取得の効力(有効説・無効説の論拠)12点
設問1(2)
- Dの462条1項の責任(金銭等の交付を受けた者)8点
- Aの462条1項の責任(業務執行者該当性と2項の免責)10点
- Aの任務懈怠責任(423条1項)8点
- F(会計限定監査役)の任務懈怠責任(423条1項)と最判令和3年7月19日10点
- AとFが賠償すべき損害の額の考え方5点・簡潔に
設問2
- 売買価格決定の申立て(179条の8)10点
- 差止請求(179条の7)の要件・枠組み8点
- 対価の「著しく不当」性のあてはめ8点
- 締出し目的(正当な事業目的の不存在)が差止事由となるかの法律構成と評価10点
全体
- 論理的構成・文章表現5点・簡潔に
出題の趣旨(法務省公表)
設問1(1)は財源規制違反の自己株式取得の効力を問うものである。有効説、
無効説のいずれも有力に主張されており、いずれの考え方に立ってもよいが、それ
ぞれの考え方について論拠を示していることが求められる。
設問1(2)は財源規制違反が発生したことに対する責任を問うものである。代
表取締役Aと株主Dについては会社法第462条第1項の責任を、Aと監査役Fに
ついては任務懈怠責任(同法第423条第1項)を検討することが望まれる。同法
第462条第1項の責任に関しては、Dについては「当該行為により金銭等の交付
を受けた者」として無過失責任を負うが、Aについては「業務執行者」としてその
職務を怠ったものといえるか、また、AとFの任務懈怠責任に関しても、財源規制
違反が発生するに至った会計帳簿及び計算書類の過誤、その監査の不備等について
論じる必要がある。なお、大会社でない会社の会計限定監査役の任務懈怠に関する
最判令和3年7月19日集民266号157頁も参照されたい。あわせて、AとF
の任務懈怠責任を検討する上では、賠償する責任を負う損害の額をどのように考え
るかについても言及していることが望ましい。
設問2は、特別支配株主の株式等売渡請求(会社法第179条以下)の手続の過
程において、効力発生前の段階で、売渡株主が採ることのできる救済手段を問うも
のである。売買価格決定の申立て(同法第179条の8)及び差止請求(同法第1
79条の7)について説明する必要がある。
差止めに関して、価格の不当性や締出し目的(正当な事業目的がないこと)が差
止事由に該当するかを論じることになる。価格に関しては、Aが準備した第三者に
よる適正な評価額の範囲内にある価格について「著しく不当」といえるかを認定す
ることが求められる。締出し目的での株式等売渡請求が差止事由に該当するかに関
しては、その法律構成と実質的な評価を説得的に論じられるかが問われる。なお、
東京地判平成22年9月6日判タ1334号117頁(全部取得条項付種類株
式)、札幌地判令和3年6月11日金判1624号24頁(株式併合)を参照され
たい。
参考答案と AI 採点
この問題の参考答案(出題の趣旨と照合済み)は Pro で読めます。自分で答案を書けば、論点の一覧に沿って AI が採点し、参考答案と項目ごとに見比べられます。
答案を書いて AI 採点する出典:法務省「令和6年予備試験」(問題文・出題の趣旨。表示のため改行等を整えています)。論点の一覧・参考答案は AI を用いて X-Law合同会社が作成したもので、誤りを含む可能性があります。
