平成25年 司法試験 論文式 憲法 出題の趣旨・論点・解説
問題
〔第1問〕(配点:100)
論点の一覧
出題の趣旨・採点実感をもとに、採点で問われる点を整理したものです(配点は 100 点満点に換算した目安)。
設問1
- デモ行進の自由の憲法上の位置付け(21条1項の解釈)8点
- 道路という場の特性(伝統的パブリック・フォーラム/他目的利用との調整)7点
- 条例自体の違憲性(事前許可制・付随的規制)8点
- 第3回不許可処分の違憲性(処分違憲)の具体的論証12点
- 教室使用不許可処分―問題の位置付け(平等原則違反)8点
- 両ゼミの講演会の比較検討(別異取扱いの合理性)9点
- Aの発言・デモ参加を不利益に考慮することの可否(表現内容に基づく差別)7点
設問2
- B県側の反論(ポイントの簡潔な提示)8点・簡潔に
- 自身の見解―デモ行進不許可処分についての判断枠組みと結論14点
- 自身の見解―教室使用不許可処分についての判断枠組みと結論11点
全体
- 対比的構造の把握と論述のバランス・論理的構成・表現8点
出題の趣旨(法務省公表)
本年の問題も,判例を正確に理解した上でそれらを主体的に検討して判断枠組みを構築する
こと,そして事案を丹念に拾って個別的・具体的に検討することを求めている。本年の問題は,
伝統的に表現活動のために使用されてきた場所である道路と,伝統的には公衆の集会のための
使用に供されていない場所である大学の教室という,対比的構造となっている。
まず,本問で制約されている権利・自由を確定することが必要である。
道路の使用が許可されないことによって制約される権利・自由は,デモ行進の自由である。
デモ行進の自由が憲法上保障されていることについては,異論がない。ただし,その憲法上
の位置付けに関して,憲法第21条第1項の解釈の仕方と関わって,学説は大きく2つの見
解に分かれる。そのいずれの見解によるのかを,理由も述べつつ,明らかにする必要がある。
大学の教室使用不許可処分の場合には,大学の教室は公衆に「開かれた」場所ではないし,
学生も当然に教室を使用する権利があるわけではない。しかし,その場合でも,学問や表現
- 集会の意義を踏まえつつ,Cゼミの使用申請に対する不許可処分の平等原則違反を問うこ
とはできる。したがって,Cゼミによる講演会と経済学部のゼミによる講演会の内容・性質
の違いが問題となる。
設問1の「原告の主張」においては,違憲という結論を導き出す論拠を十分に書くことが求
められている。
本問では,1回目,2回目と許可されたのに,デモ行進のための3回目の道路使用申請が
不許可とされた問題であるので,論ずべき中心は当該不許可処分の違憲性である。なお,条
例自体の違憲性を論ずる場合には,付随的規制という観点や事前規制という観点から検討を
加え,きちんと論じていることが求められる。
道路使用不許可処分の違憲性に関しては,道路の場所としての2つの特性が関係する。
それは,伝統的に表現活動の場として使用されてきたことと,多くの人がその他の目的で利用
する場所であることである。その際,デモ行進の重要性,条例に取り込まれた付随的理由によ
る規制の問題性を,用語の観念的な使用によってではなく,きちんと説明し,検討する必要が
ある。さらに,「明らか」といえるか否か等について,事案の内容に即して個別的・具体的に
検討する必要がある。
教室使用不許可処分の違憲性の場合には,前述したように,教室という場の特性を踏まえ
た平等原則違反が問題となる。表現の観点に基づいた差別ではないかを,事案の内容に即し
て検討することもあり得る。Cゼミによる講演会と経済学部のゼミの講演会とでは講演者の
職業が異なっている等の相違点もあるが,とりわけ,Cゼミの講演会への評価においては,
それが学問研究活動の一環であるのか,それとも実社会の政治的社会的活動であるのかにつ
いて検討することになる。さらに,Aの発言が県政批判といえるか,仮に県政批判といえる
としても,表現の自由として保障されるAの発言を大学側がマイナスに評価することは許さ
れるのか等についても検討する必要がある。
設問2では,まず最初に,想定される県側の反論を書くことになる。ここでは,合憲とな
る論拠のポイントだけを簡潔に書けばよいのであって,想定される県側の反論の論拠等を詳
細に書く必要はない。被告の反論の論拠は,設問2の第2パートである「あなた自身の見解」
において,必要に応じて述べればよい。
「あなた自身の見解」は,「あなた自身」が検討しなければならない原告と被告の判断枠組
みにおける理論的対立点,そして事実認定・事実評価における相違点を明らかにした上で,
筋の通った理由を記して,「あなた自身」の結論を導き出すことが求められている。
その際,「あなた自身」の見解が,原告とも被告とも異なることがあり得る。その場合には,
なぜそれらの見解と異なるのかについて,「あなた自身の見解」を論じる必要がある。また,
「あなた自身の見解」が結果として原告あるいは被告のいずれかと同じであったとしても,
原告あるいは被告と「同じ意見である」と書いてあるだけでは,全く不十分である。その場
合でも,「あなた自身」がいずれかの見解に同調する理由をきちんと述べることが,必要不可
欠である。
参考答案と AI 採点
この問題の参考答案(出題の趣旨と照合済み)は Pro で読めます。自分で答案を書けば、論点の一覧に沿って AI が採点し、参考答案と項目ごとに見比べられます。
答案を書いて AI 採点する出典:法務省「平成25年司法試験」(問題文・出題の趣旨。表示のため改行等を整えています)。論点の一覧・参考答案は AI を用いて X-Law合同会社が作成したもので、誤りを含む可能性があります。
