平成23年 司法試験 論文式 刑法 出題の趣旨・論点・解説
問題
〔第1問〕(配点:100)
論点の一覧
出題の趣旨・採点実感をもとに、採点で問われる点を整理したものです(配点は 100 点満点に換算した目安)。
第1事実(甲の乙に対する当初の暴行)
- 甲が乙の腹部を殴打し顔面を膝蹴りした行為の罪責(傷害罪の成立、正当防衛・自招の検討)7点
第1事実(丙の最初の行為)
- 丙が甲の胸を強く押した行為——他人(乙)のためにする正当防衛の成否8点
第1事実(甲の丙に対する暴行)
- 甲が丙を蹴り、頭部を締め上げた行為の罪責6点
第1事実(乙の反撃)
- 乙が甲の腰背部を蹴った行為——防衛の意思と攻撃意思の併存、相当性10点
第1事実(丙の殴打)
- 丙が甲の背後から頭部を2回殴打した行為——侵害の継続性・量的過剰防衛10点
第1事実(乙丙の共犯関係)
- 乙・丙の共同正犯性と甲の傷害結果(加療約2週間)の帰責7点
第2事実(乙のナイフ使用)
- 乙が逃走する甲にナイフで切りかかった行為の罪責と、丙の共犯関係からの離脱・共謀の射程10点
第2事実(丙の制止行為)
- 丙が乙の両肩をつかんで引き離した行為の正当化4点・簡潔に
第3事実(乙の車上での行為)
- 乙が走行中の車に取り付きナイフを突き出し降車を要求した行為の罪責6点
第3事実(甲の振り落とし行為・故意)
- 甲が加速・蛇行して乙を振り落とした行為の故意(殺意の認定)と傷害結果への帰責12点
第3事実(甲の正当防衛・過剰防衛)
- 甲の振り落とし行為についての正当防衛・過剰防衛の成否(侵害の継続性、防衛の意思、相当性、自招侵害)12点
全体
- 罪数処理と甲・乙・丙それぞれの最終的結論3点・簡潔に
- 論理的構成・事実摘示の的確さ・文章表現5点
出題の趣旨(法務省公表)
本問は,不法行為の準拠法及び不法行為に基づく損害賠償請求権の相続に関する準拠法の決
定並びにこれらの準拠法の適用を問うものである。
設問1の小問(1)は,法の適用に関する通則法(以下「通則法」という。)第36条によ
って指定される本国(法)が地域的不統一法国である場合の通則法第38条第3項の解釈・適
用について問うものであり,通則法第41条の反致の成否についての検討も求められる。
設問1の小問(2)は,不法行為の準拠法(日本法)の適用上,被害者の逸失利益の算定を
日本の賃金センサスの基準によって行うことの当否を問うものである。日本法が準拠法として
指定されることと日本の賃金センサスを適用して逸失利益を算定することが論理必然的な関係
にないことを踏まえ,損害の算定についての日本民法上の基本的な考え方を示して検討するこ
とが期待される。
設問1の小問(3)は,不法行為に基づく慰謝料請求権の相続の可否を規律する準拠法につ
いての理解を問うものである。法律関係の性質決定をした上で,不法行為の準拠法(日本法)
及び相続の準拠法(P法)のそれぞれの適用関係を明らかにして,これらの準拠法の適用・当
てはめを行い,結論を示す必要がある。
設問2は,不法行為の被害者の近親者固有の慰謝料請求権を規律する準拠法についての理解
を問うものである。本問における近親者(X)の精神的な苦痛という結果の発生地(通則法第
17条本文)はP地域であることを前提として,通則法第17条ただし書の通常予見可能の意
味内容を踏まえた準拠法の決定と適用が期待される。
設問3は,原告(X)の請求の前提として,不法行為の被害者夫婦の死亡の先後が明らかで
ない場合の夫による妻の損害賠償請求権の相続の可否を規律する準拠法について理解を問うも
のである。相続準拠法又は権利能力の準拠法としてのP法②の同時死亡の推定規定の適用を根
拠付け,結論を示す必要がある。
参考答案と AI 採点
この問題の参考答案(出題の趣旨と照合済み)は Pro で読めます。自分で答案を書けば、論点の一覧に沿って AI が採点し、参考答案と項目ごとに見比べられます。
答案を書いて AI 採点する出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文・出題の趣旨。表示のため改行等を整えています)。論点の一覧・参考答案は AI を用いて X-Law合同会社が作成したもので、誤りを含む可能性があります。
