平成30年 予備試験 論文式 商法 出題の趣旨・論点・解説
問題
[商 法]
論点の一覧
出題の趣旨をもとに、採点で問われる点を整理したものです(配点は 100 点満点に換算した目安)。
設問1
- 株主提案権(議題提案権・議案要領通知請求権)の行使要件の指摘8点
- 単元株式制度下での議決権数の計算と請求時点における要件充足の判定8点
- 募集株式の発行と基準日後の議決権付与(124条4項本文)による総議決権数の変動8点
- 議決権保有要件をどの時点で充足すべきかについての規範定立14点
- 事案へのあてはめと会社の取扱いの当否についての結論10点
設問2
- 423条1項の任務懈怠責任の枠組みと利益相反取引(356条1項2号)該当性8点
- 「自己のため」か「第三者のため」かの認定10点
- 423条3項の任務懈怠の推定と同条4項の適用の有無5点・簡潔に
- 甲社が被った損害額の算定8点
- 428条1項・2項、427条・425条1項1号ハによる免責・責任軽減の可否12点
- 結論としての具体的な賠償責任額4点・簡潔に
全体
- 論理的構成・条文の正確な引用・文章表現5点
出題の趣旨(法務省公表)
本問は,株主提案権の行使要件と新株発行による総議決権数の変動との関係及び
利益相反取引(直接取引)に基づく取締役の任務懈怠責任と責任限定契約との関係
を問うものである。
設問1は,公開会社かつ取締役会設置会社であって単元株式制度を採用している
株式会社における株主提案権(議題提案権(会社法第303条)及び議案要領通知
請求権(同法第305条))の行使要件を指摘した上で,どの時点で議決権保有要
件を充足する必要があるかを検討しなければならない。株主提案権行使時点では議
決権保有要件を充足するが,株主提案権行使後の新株発行及び議決権付与(同法第
124条第4項本文)により株主総会の時点では議決権保有要件を充足しない場合
に,当該議題及び議案の要領を招集通知に記載しなかった会社の取扱いの当否を検
討することになる。会社法にはこのような場合を規律する直接明文の規定がないた
め,適切な規範を定立して事案に当てはめる必要がある。
設問2は,監査等委員会設置会社における利益相反取引をした社外取締役の損害
賠償責任(会社法第423条第1項)の発生要件につき,同条第3項及び第4項や
会社が被った損害額にも触れた上で,損害賠償責任の有無を事案に即して検討する
ことが求められる。その検討に当たっては,同法第428条第1項及び第2項の適
用があるかを判断するために,本件賃貸借契約が同法第356条第1項第2号の直
接取引のうち「自己のため」又は「第三者のため」のいずれに該当するかを認定す
る必要がある。前者とする場合には,帰責事由がないことをもって同法第423条
第1項の責任を免れることができず(同法第428条第1項),また,同法第42
7条の責任限定契約による責任軽減が認められないことになる(同法第428条第
2項)。他方,後者とする場合には,同契約による責任軽減の可否が問題となり,
同契約で限度として定めた最低責任限度額(同法第425条第1項第1号ハ)の算
定が必要となる。ただし,職務を行うにつき悪意又は重大な過失があるときは,責
任軽減は認められない(同法第427条第1項)。いずれの場合でも,損害賠償責
任が発生するとしたときは,具体的な賠償責任額を算定しなければならない。
参考答案と AI 採点
この問題の参考答案(出題の趣旨と照合済み)は Pro で読めます。自分で答案を書けば、論点の一覧に沿って AI が採点し、参考答案と項目ごとに見比べられます。
答案を書いて AI 採点する出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文・出題の趣旨。表示のため改行等を整えています)。論点の一覧・参考答案は AI を用いて X-Law合同会社が作成したもので、誤りを含む可能性があります。
