平成24年 司法試験 短答式 刑事訴訟法 第35問 解説
問題
主尋問後に証人が所在不明になるなどの事情により反対尋問を経ていない証人の証言の証拠能力に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア.伝聞証拠とは,反対尋問を経ていない供述証拠であることを強調すると,反対尋問を受けておらず,伝聞証拠に当たることになるから,前記証言の証拠能力を否定する見解に結び付く。
イ.「公判期日における供述に代えて書面を証拠とし,又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない」という刑事訴訟法第320条第1項の文言を言葉どおりに解釈すると,前記証言の証拠能力を否定する見解に結び付く。
ウ.裁判官が証人の証言態度等を直接観察していることを重視すると,前記証言の証拠能力を否定する見解に結び付く。
エ.証人は,宣誓をしており,偽証罪による制裁という威嚇がある下での供述であることを重視すると,前記証言の証拠能力を肯定する見解に結び付く。
オ.前記証言が伝聞証拠に当たらないとの見解に立っても,反対尋問が実施できなくなった事情について証人申請をした当事者の責めに帰すべき理由がある場合には,手続的正義に反し,証拠能力が否定されると考えることも可能である。
- ①ア イ
- ②ア エ
- ③イ ウ正解
- ④ウ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
伝聞法則(刑訴法320条1項)は「公判期日外」の供述を対象とするものであり、主尋問を経た公判廷での証言は文言上その対象外であること、また裁判官の直接観察という趣旨は反対尋問権とは独立に証拠能力を肯定する方向に働くことを押さえる。
結論
誤っているのはイとウであり、選択肢3が正解である。イは320条1項の文言(公判期日外供述を対象とする)を素直に読めば公判期日内の証言である本件証言には適用されず、むしろ肯定説に結び付くはずなのに逆の結論を導いている点で誤り。ウは裁判官による直接観察という伝聞排除の趣旨が満たされていることを重視すれば肯定説に結び付くはずなのに、否定説に結び付くとしている点で誤りである。
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出典:法務省「平成24年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
