平成22年 司法試験 短答式 刑事訴訟法 第38問 解説
問題
刑事手続の各段階における前科の扱いに関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。
ア.常習累犯窃盗罪のように前科が構成要件の一部を構成している場合や,常習賭博罪のように構成要件としての常習性を認定する場合でなければ,被告人の同種前科をもって,犯罪事実を立証することは許されない。
イ.累犯加重の理由となる前科については,適法な証拠調べをした証拠によらなければ認定することはできない。
ウ.勾留中の被告人について保釈の請求があった場合,その許否を決するに当たっては,勾留状に記載された事実以外の犯罪事実を考慮してはならず,被告人の前科を考慮することは許されない。
エ.起訴状には,裁判官に事件につき予断を生ぜしめるおそれのある内容を引用してはならないから,常習累犯窃盗罪のように前科が構成要件の一部を構成している場合でなければ,起訴状に被告人の前科を記載することは許されない。
オ.検察官は,執行猶予中の被疑者が再度その前科と同種の犯罪に及んだ場合であっても,犯罪の軽重及び情状等を考慮して,公訴を提起しないことができる。
- ①ア イ
- ②ア ウ
- ③イ オ正解
- ④ウ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
前科証拠を犯罪事実(犯人性)の立証に用いることは原則として許されないが、構成要件要素となる場合に限らず、顕著な特徴を有し起訴事実と相当程度類似する前科は例外的に許容される(最判平成24年9月7日)。累犯前科は厳格な証明を要し(イ)、保釈の許否では刑訴法89条2号・3号が前科を明文で考慮事由とし、起訴状にも必要な場合には前科を記載し得る。起訴便宜主義(248条)により執行猶予中の再犯でも不起訴は可能(オ)。
結論
正しいのはイとオであり、選択肢3が正解である。累犯加重の理由となる前科は適法な証拠調べを経た証拠によって認定しなければならず(イ)、検察官は起訴便宜主義に基づき執行猶予中の再犯であっても不起訴とすることができる(オ)。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
