令和2年 予備試験 短答式 民法 第7問 解説
問題
Aは,その債権者を害することを知りながら,所有する骨董品甲をBに贈与し,その際,Bも甲の贈与がAの債権者を害することを知っていた。この事例におけるAの債権者Cによる詐害行為取消権行使に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Cが詐害行為取消訴訟を提起する場合,Aを被告としなければならない。
イ.Bが,甲の贈与がAの債権者を害することを知っていたDに甲を売却し,引き渡した場合,Cは,Dに対し,BD間の甲の売買の取消しを請求することができる。
ウ.Bが,甲の贈与がAの債権者を害することを知っていたDに甲を売却し,引き渡した場合,Cは,Bに対し,AB間の甲の贈与の取消しを請求することができる。
エ.Cによる詐害行為取消請求を認容する確定判決の効力は,Aの全ての債権者に対してもその効力を有する。
オ.Bが,甲の贈与がAの債権者を害することを知っていたDに甲を売却し,引き渡した場合において,CのDに対する詐害行為取消請求を認容する判決が確定したときは,Dは,Bに対し,代金の返還を請求することができる。
- ①ア エ
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤ウ エ正解
解説
要点
詐害行為取消権は常に債務者・受益者間の行為(本問ではAB間の贈与)を取り消す制度であり、転得者Dに対する請求も『AB間の行為』の取消しを求めるものにすぎない。被告は受益者または転得者であり債務者Aは被告にならず(424条の7第1項)、認容確定判決の効力は債務者及び全ての債権者に及ぶ(425条)。無償行為が取り消された場合、転得者が前者に対して行使できる権利(425条の4第1号)は、受益者が債務者に対して有すべき反対給付返還請求権に相当するものなので、贈与のように受益者が反対給付をしていない場合には生じない。
結論
正しいのはウとエであり、選択肢5が正解である。詐害行為取消請求は常に『債務者がした行為』(本問ではAB間の贈与)の取消しを求めるものであり、受益者Bと転得者Dの間の行為自体を取り消すものではない。また認容確定判決の効力は債務者及び全ての債権者に及ぶ(民法425条)。
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出典:法務省「令和2年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
