令和2年 予備試験 短答式 民法 第6問 解説
問題
譲渡担保に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.所有する土地に譲渡担保権を設定した債務者は,債務の弁済期が経過した後は,債権者が担保権の実行を完了する前であっても,債務の全額を弁済して目的物を受け戻すことはできない。
イ.所有する機械に譲渡担保権を設定して譲渡担保権者に現実の引渡しをした債務者Aは,その債務の弁済をする場合,債務の弁済と譲渡担保権者のAに対する目的物の引渡しとの同時履行を主張することはできない。
ウ.債務者Aが所有する構成部分の変動する在庫商品に債権者Bのために譲渡担保権が設定された後,商品が滅失し,その損害をてん補するための損害保険金請求権をAが取得したときは,Aが営業を継続しているか否かにかかわらず,Bは,当該保険金請求権に対して物上代位権を行使することができる。
エ.土地の賃借人が借地上に所有する建物に譲渡担保権を設定した場合,その効力が土地の賃借権に及ぶことはない。
オ.譲渡担保権によって担保されるべき債権の範囲は,強行法規や公序良俗に反しない限り,設定契約の当事者間において元本,利息及び遅延損害金について自由に定めることができる。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ エ
- ④イ オ正解
- ⑤ウ オ
解説
要点
譲渡担保は判例法理の集積であり、①受戻権は清算完了まで存続する、②弁済と目的物返還は同時履行ではなく弁済が先履行、③集合動産譲渡担保の物上代位は設定者が通常営業を継続している限り原則不可、④建物譲渡担保の効力は敷地賃借権にも及ぶ、⑤被担保債権の範囲は原則自由に合意できる、という各判例の結論をセットで覚える。
結論
正しいのはイとオであり、選択肢4が正解である。イは弁済と目的物引渡しが同時履行の関係に立たないとする判例の立場と一致し、オは譲渡担保の被担保債権の範囲を当事者が自由に合意できるとする判例の立場と一致する。
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出典:法務省「令和2年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
