令和2年 予備試験 短答式 民法 第15問 解説
問題
相続と贈与に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.特別受益に当たる贈与の価額がその受贈者である相続人の具体的相続分の価額を超える場合,その相続人は,超過した価額に相当する財産を他の共同相続人に返還しなければならない。
イ.Aが,婚姻後21年が経過した時点で,Aとその配偶者Bが居住するA所有のマンション甲をBに贈与し,その後に死亡した場合,当該贈与については,その財産の価額を相続財産に算入することを要しない旨の意思表示(持戻し免除の意思表示)がされたものと推定される。
ウ.特別受益に当たる贈与は,地震により目的物が滅失した場合であっても,相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてその価額を定める。
エ.不動産の死因贈与の受贈者Aが贈与者Bの相続人である場合において,限定承認がされたときは,死因贈与に基づくBからAへの所有権移転登記が相続債権者Cによる差押登記よりも先にされたとしても,Aは,Cに対し,その不動産の所有権の取得を対抗することができない。
オ.特別受益に当たる贈与は,当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってしたものでない場合,相続開始前の10年間にしたものに限り,遺留分を算定するための財産の価額に算入される。
- ①ア イ
- ②ア ウ正解
- ③イ オ
- ④ウ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
特別受益の超過分に返還義務はなく(903条2項)、904条の原状みなし規定は『受贈者の行為による』滅失・増減に限られる(地震など自然災害は対象外)。この2点は条文の文言を正確に覚えていないと引っかかる。
結論
誤っているのはア・ウであり、選択肢2が正解である。アは超過分の返還義務がある点で誤り、ウは地震という受贈者の行為によらない滅失にまで原状みなし規定を及ぼしている点で誤りである。
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出典:法務省「令和2年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
