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令和2年 予備試験 短答式 行政法 第16問 解説

令2予備 第16問行政法行政上の強制手段の過去問

問題

医師法第7条の3第1項に基づく立入検査に関する教員と学生による以下の対話中の次のアからウまでの【 】内の各記述について,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。教員:医師法第7条の3第1項に基づく立入検査の強制力について,どのようなことがいえますか。学生:(ア)【医師法第33条の2第3号により,立入検査の拒否に罰則が定められていることからすると,同法は,間接的心理的に立入検査の受忍を強制しようとするものといえます。】教員:それでは,ある医師について,医師法第7条第1項の規定による処分をすべきか否かを調査するため,同法第7条の3第1項に基づく当該医師の開設する病院の立入検査が行われようとしているにもかかわらず,当該医師が立入検査を拒否しているという事例を想定してください。立入検査に関しては,医師法上,第7条の3以外の規定はありませんが,立入検査をしようとする行政庁の職員はどのようなことができますか。学生:(イ)【立入検査をしようとする職員は,必要最小限の実力を行使して当該医師を排除した上で,立入検査を行うことができます。】教員:税務調査に関する最高裁判所の判例に照らすと,立入検査が医師法第7条の3第3項の規定に反するのは,どのような場合であるといえますか。学生:(ウ)【立入検査の権限を犯罪捜査のための手段として行使したような場合には,その立入検査は医師法第7条の3第3項に違反します。】(参照条文)医師法第4条 次の各号のいずれかに該当する者には,免許を与えないことがある。一 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの二 麻薬,大麻又はあへんの中毒者三 罰金以上の刑に処せられた者四 前号に該当する者を除くほか,医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者第7条 医師が第4条各号のいずれかに該当し,又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは,厚生労働大臣は,次に掲げる処分をすることができる。一 戒告二 3年以内の医業の停止三 免許の取消し2~17 (略)第7条の3 厚生労働大臣は,医師について第7条第1項の規定による処分をすべきか否かを調査する必要があると認めるときは,当該事案に関係する者若しくは参考人から意見若しくは報告を徴し,診療録その他の物件の所有者に対し,当該物件の提出を命じ,又は当該職員をして当該事案に関係のある病院その他の場所に立ち入り,診療録その他の物件を検査させることができる。2 前項の規定により立入検査をしようとする職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係人の請求があつたときは,これを提示しなければならない。3 第1項の規定による立入検査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。第33条の2 次の各号のいずれかに該当する者は,50万円以下の罰金に処する。一,二 (略)三 第7条の3第1項の規定による陳述をせず,報告をせず,若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし,物件を提出せず,又は検査を拒み,妨げ,若しくは忌避した者
  1. ①ア〇 イ〇 ウ○
  2. ②ア〇 イ〇 ウ×
  3. ③ア〇 イ× ウ○正解
  4. ④ア〇 イ× ウ×
  5. ⑤ア× イ〇 ウ○
  6. ⑥ア× イ〇 ウ×
  7. ⑦ア× イ× ウ○
  8. ⑧ア× イ× ウ×

解説

要点
行政上の義務履行確保について、罰則による間接強制の規定があるにとどまる場合、法律の明文の根拠なくして実力行使(直接強制)を行うことは許されない。これは侵害留保原則・法律の根拠の要請(行政代執行法1条参照)から導かれる基本原則である。

結論

選択肢3(ア○イ×ウ○)が正しい。アは罰則による間接強制の説明として正しく、ウは川崎民商事件判例の趣旨に合致するが、イは法律の明文の根拠がないのに実力行使(直接強制)を認める点で誤りである。

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出典:法務省「令和2年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。