平成29年 予備試験 短答式 商法 第27問 解説
問題
自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した個人商人の責任に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
- ①商人が,営業としてする薬局の開設者として自己の商号を使用することを他人に許容し,当該他人が薬局開設の許可を申請した場合は,自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した場合に該当する。
- ②手形行為上自己の商号を使用することを許諾したにすぎない者であっても,自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾したものということができる。正解
- ③商人が,自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した場合に,当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負うためには,特段の事情のない限り,商号使用の許諾を受けた者の営業がその許諾をした商人の営業と同種の営業であることを要する。
- ④商号使用の許諾を受けた者が交通事故その他の事実行為たる不法行為に起因して負担するに至った損害賠償債務は,自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した商人が責任を負う「当該取引によって生じた債務」に当たらない。
- ⑤商人が自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した場合において,当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に重大な過失があるときは,当該商人は,その者に対し当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負わない。
解説
要点
名板貸人責任(商法14条)は「営業(事業)を行うことの許諾」が要件であり、手形行為のみについての商号使用許諾はこれに当たらないとするのが判例である。
結論
選択肢2が誤り。判例は、手形行為についてのみ自己の商号使用を許諾したにすぎない場合は、商法14条にいう「自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した」場合には当たらないとしている。したがって選択肢2の記述は判例の趣旨に反する。
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出典:法務省「平成29年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
