平成29年 予備試験 短答式 商法 第24問 解説
問題
株式会社を各当事会社とする事業譲渡及び吸収分割に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,特別法の規定の適用がある場合は,考慮しないものとする。
ア.事業譲渡をする場合には,譲渡会社の新株予約権者は,譲渡会社に対し,自己の有する新株予約権を買い取ることを請求することができないが,吸収分割をする場合には,吸収分割会社の新株予約権者は,吸収分割会社に対し,自己の有する新株予約権を買い取ることを請求することができることがある。
イ.譲渡会社及び吸収分割会社のいずれについても,当事会社の別段の意思表示がない限り競業避止義務を負う旨が会社法に規定されている。
ウ.事業譲渡については,債権者異議手続をすることを要しないが,吸収分割については,債権者異議手続をしなければならないことがある。
エ.事業譲渡の無効及び吸収分割の無効は,いずれも訴えをもってのみ主張することができる。
オ.吸収分割会社が吸収分割承継会社に承継されない債務の債権者を害することを知って吸収分割をした場合には,当該債権者が吸収分割承継会社に対して当該債務の履行を請求することができるときがあることが会社法に規定されているが,譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者を害することを知って事業譲渡をした場合には,当該債権者が譲受会社に対して当該債務の履行を請求することができるときがあることは会社法に規定されていない。
- ①ア ウ正解
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
事業譲渡と会社分割は似て見えるが、新株予約権買取請求(787条1項2号)・債権者異議手続(789条・799条)・無効の主張方法(828条1項9号)・詐害的行為に対する残存債権者保護(23条の2と759条4項)のいずれも制度設計が異なるので、各制度ごとに条文の有無・要件(誰が異議を述べられるか等)を正確に対比して記憶すること。
結論
正しいのはアとウであり、選択肢1が正解である。事業譲渡には新株予約権買取請求・債権者異議手続の制度が組み込まれていないのに対し、吸収分割にはこれらの制度が会社法上規定されているという対比を正確に押さえれば解ける問題である。
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出典:法務省「平成29年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
