平成29年 予備試験 短答式 民法 第12問 解説
問題
Aが運転するタクシーとBが運転するタクシーが衝突する交通事故(以下「本件事故」という。)が発生し,Aが運転するタクシーの乗客Cが負傷し,Cに300万円の損害が生じた。本件事故についての過失割合は,Aが4割で,Bが6割であり,Cに過失はなかった。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.CがAに対して本件事故後3年以内に損害賠償を請求する訴訟を提起すれば,CのBに対する損害賠償請求権の消滅時効も中断する。
イ.BがCに対して損害賠償債務の弁済として100万円の支払をした場合には,Bは,Aに対し,40万円を求償することができる。
ウ.Bが,Cとの間で,BがCに対して200万円を支払うとともに,CがAの損害賠償債務及びBのその余の損害賠償債務を免除する旨の和解契約を締結した場合であっても,Cは,Aに対し,100万円の支払を求めることができる。
エ.Aに使用者Dがおり,Dが本件事故について使用者責任を負う場合において,DがCに対して損害賠償債務の弁済として300万円を支払ったときは,Dは,Aに対し,信義則上相当と認められる限度において求償することができる。
オ.Bに使用者Eがおり,Eが本件事故について使用者責任を負う場合において,AがCに対して損害賠償債務の弁済として300万円を支払ったときは,Aは,Eに対し,180万円を求償することができる。
- ①ア ウ
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤エ オ正解
解説
要点
改正前民法下の判例法理では、共同不法行為者の債務は不真正連帯債務であり、履行の請求や免除といった絶対効は原則として生じず(免除は債権者の意思解釈により他の債務者にも及び得る)、求償は自己の負担部分を超えて弁済した場合にその超過額についてのみ認められる。使用者から被用者への求償は信義則上相当な限度に制限される。
結論
正しいのはエとオであり、選択肢5が正解である。共同不法行為者(AB)の債務は不真正連帯債務であって連帯債務の絶対効規定は原則適用されず、求償は自己の負担部分を超えて弁済した場合に限り認められるという判例法理を当てはめると、ア・イ・ウは誤り、エ・オは正しいと判断できる。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「平成29年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
