平成29年 予備試験 短答式 民法 第10問 解説
問題
売買契約の解除に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.債務不履行を理由に売買契約が解除された場合において,その債務不履行の時から10年を経過したときは,解除による原状回復請求権の消滅時効が完成する。
イ.売主が目的物を引き渡し,買主が代金の一部を支払った場合において,債務不履行を理由に売買契約が解除されたときは,売主の目的物返還請求権と買主の代金返還請求権とは,同時履行の関係にない。
ウ.売主が目的物を引き渡したが,買主が代金を履行期の経過後も支払わない場合において,売主が買主に対して相当の期間を定めて債務の履行の催告をしたとしても,売主がその催告に際して履行がなければ解除する旨の通知をしていないときは,売主は,相当期間の経過後も当該売買契約を解除することができない。
エ.売主が目的物を引き渡したが,買主が代金を履行期の経過後も支払わない場合において,売主が買主に対して相当の期間を定めて代金の支払を催告したにもかかわらず,買主が代金の支払を拒絶する意思を明確に表示したときは,売主は,相当の期間が経過する前であっても,当該売買契約を解除することができる。
オ.買主の債務不履行を理由に売主が解除権を取得したとしても,その解除権の行使前に買主がその債務を履行したときは,売主は,その解除権を行使することができない。
- ①ア イ
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④ウ エ
- ⑤エ オ正解
解説
要点
解除に関する判例法理は、原状回復請求権の消滅時効の起算点(解除時)、原状回復義務の同時履行関係、催告解除における条件付き通知の要否、履行拒絶時の無催告・期間経過前解除、解除権行使前の履行による解除権の失効、という5つの論点を横断的に押さえておくこと。
結論
正しいのはエとオであり、選択肢5が正解である。エは履行拒絶の意思が明確な場合には相当期間の経過を待たずに解除できるとする判例法理(改正法542条1項2号に明文化)であり、オは解除権行使前に債務者が履行すれば解除権はもはや行使できないとする判例法理である。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「平成29年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
