平成29年 予備試験 短答式 刑法 第9問ウ 解説
問題
次のアからオまでの各事例における甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,( )内の犯罪が既遂になる場合には1を,未遂にとどまる場合には2を,既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
ウ.甲は,通行中の乙に因縁を付けて乙から現金を脅し取ろうと考え,乙に対し,「俺をにらんできただろ。金を払えば許してやる。金を出せ。」などと大声で怒鳴り付けて反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫を加え,同脅迫により畏怖した乙は,甲に現金を直接手渡さなかったものの,甲が乙のズボンのポケットから乙が所有する現金在中の財布を抜き取って持ち去るのを黙認した。(恐喝罪)
- ①犯罪が既遂になる正解
- ②未遂にとどまる
- ③既遂にも未遂にもならない
解説
要点
恐喝罪は、反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫により被害者を畏怖させ、その畏怖に基づいて財物の占有が行為者に移転すれば既遂となる。被害者が財布を抜き取られるのを畏怖により黙認した場合も、黙示の交付(処分)行為があったと評価でき、また処分行為不要説に立っても畏怖に乗じた占有移転があるから、いずれにせよ恐喝既遂となる。
結論
選択肢1が正しい。甲は乙に対し反抗を抑圧しない程度の脅迫を加えて畏怖させ、乙はその畏怖のために甲が財布を抜き取り持ち去るのを黙認しており、畏怖に基づく財物の占有移転が認められるから、恐喝罪は既遂に達している。
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出典:法務省「平成29年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
