平成27年 予備試験 短答式 商法 第16問 解説
問題
株式会社の発起人の責任に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
- ①発起人の一人からの財産引受けに係る契約が締結された場合において,会社の成立の時におけるその目的財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときは,その財産引受けに関する事項について裁判所が選任した検査役の調査を経たときでも,他の発起人は,会社に対し,その不足額を支払う義務を負う。
- ②募集設立において発起人の一人が現物出資をした場合において,会社の成立の時における現物出資財産の価額が定款に記載された価額に著しく不足するときでも,他の発起人は,その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは,会社に対し,その不足額を支払う義務を負わない。
- ③発起人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったことにより第三者に生じた損害を賠償する責任を負うときは,総株主の同意によっても,これを免れることができない。正解
- ④会社が成立しなかった場合において,発起人がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは,その発起人は,会社の設立に関して支出した費用を負担しない。
- ⑤発起人が会社の設立についてその任務を怠り,これによって会社に損害を生じさせた場合において,その会社について設立を無効とする判決が確定したときは,その発起人は,会社に対し,損害を賠償する責任を負わない。
解説
要点
発起人の会社に対する責任(財産価額不足塡補責任・任務懈怠責任)は総株主の同意で免除できるが、第三者に対する責任(悪意・重過失による損害賠償責任)は総株主の同意によっても免除できない点を区別すること。あわせて、52条2項の免責は出資者・譲渡人本人には及ばず、募集設立では2号(無過失の証明)だけが排除されることを押さえる。
結論
選択肢3が正しい。発起人が悪意又は重大な過失により第三者に生じさせた損害を賠償する責任(会社法53条2項)は、会社に対する責任の免除規定(会社法55条)の対象外であり、総株主の同意によっても免れることはできない。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「平成27年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
