平成25年 予備試験 短答式 商法 第29問 解説
問題
手形上の記載からは,約束手形の振出しが法人のためにされたものであるとも,代表者個人のためにされたものであるとも解し得る場合には,手形所持人は,法人及び代表者個人のいずれに対しても手形金の請求をすることができるとの見解がある。次のアからオまでの各記述のうち,この見解と整合しないものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.法人の代表者が法人のために手形行為をする場合の代表機関としての表示は,法人のためにされたものであることを認識し得る程度に手形上記載すれば足りる。
イ.手形上の記載を解釈するに当たっては,一般の社会通念に従ってその記載の趣旨を合理的に判断すべきである。
ウ.手形上,法人名と個人名とが併記されている場合には,法人の代表者である旨の記載がなくても,法人の代表者が法人のために手形行為をする場合の代表機関としての表示と解釈すべきである。
エ.この手形金の請求を受けた者は,その振出しが真実いずれの趣旨でされたかを知っていた直接の相手方に対し,その旨の人的抗弁を主張することができる。
オ.手形上の記載を解釈するに当たっては,手形外の証拠もしんしゃくすることができる。
- ①ア イ
- ②ア ウ
- ③イ エ
- ④ウ オ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
『手形上の記載からいずれとも解し得る場合に両者に請求できる』という見解は、①手形の記載のみを基準に文言的に判断すること、②一義的解釈が可能な場合はこの問題自体が生じないこと、③手形外の証拠で確定できるなら曖昧な場合は生じないこと、を前提とする。ウ(併記があれば常に代表表示と解する)とオ(手形外の証拠を斟酌する)は、この『いずれとも解し得る曖昧な場合』という前提自体を否定する方向に働くため、見解と整合しない。
結論
正解は選択肢4(ウ・オ)である。この見解は、手形上の記載だけからは法人のためか代表者個人のためか一義的に決められない場合に両者への請求を認めるものであるところ、ウは併記があれば常に法人代表の趣旨と一義的に解釈すべきとし、オは手形外の証拠まで斟酌して趣旨を確定すべきとする点で、いずれも『一義的に解釈できない場合がある』という見解の前提を崩してしまうため整合しない。
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出典:法務省「平成25年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
