平成25年 予備試験 短答式 商法 第21問 解説
問題
取締役会設置会社である甲株式会社(以下「甲社」という。)の代表取締役Aが,甲社を代表して,甲社の取締役Bとの間で取引(以下「本件取引」という。)を行う場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.本件取引が利益相反取引である場合には,Bが特別の利害関係を有する取締役としてこれを承認する取締役会の議決に加わっていなかったとしても,本件取引により甲社に損害が生じたときは,Bは,その任務を怠ったものと推定される。
イ.本件取引が利益相反取引であるにもかかわらず,取締役会の承認を受けずにされた場合には,本件取引によりBが得た利益の額は,甲社に生じた損害の額と推定される。
ウ.判例によれば,本件取引が利益相反取引であるにもかかわらず,取締役会の承認を受けずにされた場合でも,Bが有効な取締役会の承認があったと信じて取引をしていたときは,甲社は,Bに対し,本件取引の無効を主張することはできない。
エ.判例によれば,本件取引の内容が,Bが甲社に対して無利息かつ無担保で金銭を貸し付けるものである場合には,利益相反取引として甲社の取締役会の承認を受ける必要はない。
オ.判例によれば,本件取引の内容が,不動産鑑定士による鑑定評価の評価額を代金額として甲社がBから不動産を買い受けるものである場合には,利益相反取引として甲社の取締役会の承認を受ける必要はない。
- ①ア エ正解
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤ウ オ
解説
要点
利益相反取引では、取引の相手方となった取締役自身は承認決議に加わっていなくても会社法423条3項1号により任務懈怠が推定される。他方、利益額を損害額と推定する423条2項は競業取引(356条1項1号)のみに適用され、利益相反取引には及ばない。無承認取引の無効は取引の直接の相手方である取締役には常に対抗できる点、無利息無担保での会社への貸付けは利益相反取引に当たらない点、適正価格でも直接取引には形式的に該当し承認が必要な点を押さえる。
結論
正しいのはアとエであり、選択肢1が正解である。アは会社法423条3項1号により取引当事者である取締役は承認決議への賛否を問わず任務懈怠が推定されること、エは無利息無担保での会社への貸付けは会社に不利益がなく利益相反取引に当たらないとする判例に基づくためである。
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出典:法務省「平成25年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
