平成25年 予備試験 短答式 刑法 第2問 解説
問題
次の【事案及び判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,判旨の理解として誤っているものはどれか。【事案及び判旨】精神科の医師である甲が,犯行時16歳の少年Aが犯した殺人罪に関する保護事件が係属している家庭裁判所からAの精神鑑定を命ぜられた際,鑑定資料として家庭裁判所から交付されたAの捜査機関に対する供述調書の謄本を新聞記者に閲覧させたため,Aが甲を秘密漏示罪で告訴した事案につき,裁判所は,甲の行為は秘密漏示罪に該当し,訴訟条件にも欠けるところはない旨判示し,甲に有罪判決を言い渡した。【記 述】
- ①この判旨は,甲が医師の身分を有していることを前提に秘密漏示罪の成立を認めたものである。
- ②この判旨は,裁判手続等において後に公開される可能性のある事項であっても,秘密漏示罪における「人の秘密」として保護の対象になり得ると考えている。
- ③この判旨は,甲が医師の業務としてAの精神鑑定を行ったことを前提に秘密漏示罪の成立を認めたものである。
- ④この判旨は,秘密漏示罪における「人の秘密」について,Aの秘密ではなく,甲に鑑定を命じた家庭裁判所の秘密であると考えている。正解
- ⑤この判旨からは,秘密漏示罪の「人の秘密」の主体が,自然人のみならず,法人・団体を含むかどうかは必ずしも明らかではない。
解説
要点
秘密漏示罪(刑法134条1項)の「人の秘密」は、医師が業務上取り扱ったことについて知り得た本人(本設例では少年A)の秘密を指し、鑑定を命じた家庭裁判所の秘密ではない。最決平24.2.13は、医師が診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた場合、その鑑定の実施は医師の「業務」に当たるとした。
結論
誤っているのは選択肢4である。判旨は、医師甲が漏らした供述調書の内容をA本人の秘密として保護し、秘密漏示罪の成立を認めたものであり、家庭裁判所の秘密として構成したわけではない。
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出典:法務省「平成25年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
