平成24年 予備試験 短答式 民法 第8問 解説
問題
債権者代位権に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
- ①AがBに対して有している売買代金債権をAの債権者CがAに代わって行使し,売買代金の支払を求めて訴えを提起した場合において,この請求を認容する判決が確定すれば,このAのBに対する売買代金債権は,弁済により消滅したものとみなされる。
- ②判例によれば,債権者が代位権の行使に着手した事実を債務者が知ったとしても,債務者は,債権者から代位の通知を受けない間は,代位権行使の対象となった権利を自ら行使することができる。
- ③債務者の権利を代位行使する債権者は,債務者の代理人としてではなく,自己の名で当該権利を行使するものであり,自己の財産におけるのと同一の注意をもって権利を行使すれば足りる。
- ④判例によれば,離婚に伴う財産分与請求権は,審判によりその具体的内容が確定したときは,財産分与を受ける者の債権者が債権者代位の目的とすることができる。正解
- ⑤債務者に対して複数の債権者がいる場合において,このうちの一人が債務者の有する金銭債権を代位行使するときは,代位行使することができる金銭債権の額は,複数の債権者が有する債権の総額に占める代位債権者の債権の額の割合に応じて算出された額を限度とする。
解説
要点
財産分与請求権のように本来は身分的性質を持つ権利でも、協議・審判等により具体的内容(金額等)が確定した後は通常の金銭債権と同様に扱われ、債権者代位の対象となる。代位行使できる範囲は自己の債権額が限度であり、他債権者との割合計算は不要という点も要チェック。
結論
正解は選択肢4である。離婚に伴う財産分与請求権は、本来は身分関係から生じる権利として行使上の一身専属的性質を持つが、審判等によってその具体的内容(給付すべき額・方法)が確定した後は、通常の金銭債権と同じ性質を持つに至るため、財産分与を受ける者の債権者による債権者代位の目的とすることができる。判例(最判昭和55年7月11日)は、離婚による財産分与請求権は協議又は審判等によって具体的内容が形成されるまでは範囲及び内容が不確定・不明確であることを理由に、その段階では債権者代位権行使の基礎とすることを認めなかったものであり、その趣旨からすれば、具体的内容が確定した後は通常の金銭債権と同様に扱われ、代位の対象となると解される。
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出典:法務省「平成24年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
