平成24年 予備試験 短答式 民法 第4問 解説
問題
物権的請求権に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
- ①所有権に基づく物権的請求権は,所有権から派生する権利であるから,所有権と独立に物権的請求権のみを譲渡することはできないが,所有権とは別に消滅時効にかかる場合がある。
- ②建物の賃貸借契約が終了したとき,建物の所有者である賃貸人は,賃借人に対し,賃貸借契約の終了に基づいて建物の返還を求めることはできるが,所有権に基づいて建物の返還を請求することはできない。
- ③Aは,B所有の土地に何らの権原なく建物を建て,この建物をCに賃貸した。この場合,建物を占有しているのはCであるから,Bは,Aに対して,建物を収去して土地を明け渡すことを請求することはできない。
- ④畑として使用されてきた土地をA,B及びCが持分3分の1ずつで共有していたところ,第三者が,Aの承諾を得て,その土地を造成して宅地にしようとした。この場合,Cは,単独で,その第三者に対し,共有持分権に基づく物権的請求権の行使として,土地全体について造成行為の禁止を求めることができる。正解
- ⑤AがBに対して所有権に基づく妨害排除請求権を行使するには,Bに事理を弁識する能力があることは必要でないが,妨害状態が発生したことについてBに故意又は過失があることが必要である。
解説
要点
物権的請求権は所有権の効力そのもので、所有権と切り離して譲渡されず、所有権と別個に消滅時効にもかからない。他方、共有物に対する妨害の排除・禁止は、保存行為(民法252条5項)とみても各共有者の持分権に基づく請求とみても、各共有者が単独で共有物全部について請求できる。
結論
選択肢4が正しい。共有物に対する妨害(無断の造成行為)の禁止を求めることは、保存行為(民法252条5項)にあたるとみても、各共有者の持分権に基づく物権的請求権の行使とみても、各共有者が単独で共有物全部について請求できるため、共有者Cは単独で造成行為の禁止を求めることができる。
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出典:法務省「平成24年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
