平成24年 予備試験 短答式 民法 第3問 解説
問題
引渡しの方法に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
- ①Aは,Bから動産甲を買い受け,占有改定の方法で引渡しを受けたが,その後,Bは,動産甲をCに奪われてしまった。この場合,Aは,所有権に基づいてCに対して動産甲の返還を請求することができるのみでなく,Cに対して占有回収の訴えを起こすことができる。正解
- ②Aは,Bから動産甲を買い受け,占有改定の方法で引渡しを受けたが,その後,Bは,動産甲をCにも売却し,現実に引き渡した。この場合,Cは,BのAに対する動産甲の売却について善意無過失でなくても,動産甲の所有権取得をAに対抗することができる。
- ③Aは,Bから借用して占有していた動産甲をBから買い受けた。この場合,Aは,Bに動産甲をいったん返還した上でBから改めて動産甲の現実の引渡しを受けない限り,その所有権の取得を第三者に対抗することはできない。
- ④Aは,Bに対する債権を担保するため,Bとの間で,B所有の動産甲に質権の設定を受けた。この場合,指図による占有移転により動産甲の引渡しを受けたのみでは,質権の効力は生じない。
- ⑤Aは,Bが第三者に寄託している動産甲をBから買い受け,自ら受寄者に対し,以後Aのために動産甲を占有することを命じ,受寄者がこれを承諾したときは,Aは,動産甲の占有権を取得する。
解説
要点
占有改定により所有権・占有権を取得した間接占有者は、直接占有者(占有代理人)の占有が第三者に奪われた場合、自らも占有回収の訴えを提起できる。占有改定は178条の対抗要件としては有効だが、即時取得の基礎となる占有の取得としては足りない点を区別する。
結論
選択肢1が正しい。占有改定(民法183条)によって動産甲の占有権を取得したAは、占有代理人Bの占有を介して間接占有者となっており、Bの占有がCに奪われた場合、Aは所有権に基づく返還請求だけでなく、占有権に基づく占有回収の訴え(民法200条)もCに対して提起できる。
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出典:法務省「平成24年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
