平成24年 予備試験 短答式 商法 第17問 解説
問題
株式の譲渡に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.株券発行会社が株券の発行を不当に遅滞し,信義則に照らし,株券発行前にされた株式の譲渡の効力を否定するのを相当としない状況に至った場合において,株主が意思表示のみによって株式を譲渡したときは,その譲渡は,会社に対しても,その効力を有する。
イ.譲渡制限株式について,会社の承認を得ないで譲渡がされた場合,その譲渡は,譲渡当事者間において,その効力を有しない。
ウ.株式の譲渡について,会社に対し適法に株主名簿の名義書換請求がされたにもかかわらず,会社の過失により名義書換が行われなかったときは,会社は,株主名簿の名義書換のないことを理由として,株式の譲渡を否定することができない。
エ.株式の譲渡に関する株主名簿の名義書換が会社の都合で遅れている場合には,会社は,その譲渡を認め譲受人を株主として取り扱うことができない。
オ.株券発行会社の株式について,その会社の剰余金の配当の基準日より前に株券が交付されて譲渡されたが,その基準日までに株主名簿の名義書換請求がされずに譲渡人が配当金を受領したときは,譲渡人は,譲受人に対し,受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負わない。
- ①ア イ
- ②ア ウ正解
- ③イ エ
- ④ウ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
株券発行前の譲渡・名義書換の効力については、会社側の帰責事由(不当遅滞・過失)がある場合に譲渡人保護から譲受人保護へと判例が結論を修正する構造を押さえる。名義書換未了でも会社が譲受人を株主として扱うのは会社の自由(会社側からの主張封じ)であり、逆に会社の都合による遅延で会社が譲受人を拒めるわけではない点に注意。
結論
正しいのはアとウであり、選択肢2が正解である。株券発行の不当遅滞の場合の意思表示のみによる譲渡の効力(ア)と、名義書換請求後の会社の過失による書換未了の場合の会社側の主張制限(ウ)は、いずれも判例が明示的に認めた法理である。
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出典:法務省「平成24年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
