平成24年 予備試験 短答式 民法 第15問 解説
問題
甲建物を所有していたAが死亡し,Aには子B,C及びDがいるが,遺産分割は未了である場合,次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
- ①BがC及びDに無断で甲建物についてBへの所有権移転登記をした上でこれを第三者Eに売り,Eへの所有権移転登記をした場合,C及びDは,Eに対し,それぞれの持分権を対抗することができない。正解
- ②BがAの死亡後新たに甲建物で居住を開始し,C及びDに甲建物を使用させない場合,C及びDは,甲建物に現実に居住する意思がないときでも,Bに対し,持分の割合に応じた使用料相当額を不当利得として返還請求することができる。
- ③遺産分割がされる前であっても,甲建物について,B,C及びDの法定相続分に応じた持分の割合により,相続を原因とする所有権移転登記をすることができる。
- ④第三者EがBから甲建物の共有持分権を譲り受けた場合,EがC及びDとの共有関係の解消のためにとるべき裁判手続は,共有物分割訴訟である。
- ⑤Bが遺産分割協議書を偽造して甲建物についてBへの所有権移転登記をした場合は,C及びDがその事実を知った時から5年以上経過後に当該登記の是正を請求するときでも,Bは,相続回復請求権の5年の短期消滅時効が完成したことを主張することができない。
解説
要点
共同相続人の一人が無断で単独名義の登記をして第三者に譲渡しても、他の共同相続人は自己の持分について登記なくして対抗できる(無権利の法理)。この場合の第三者は民法177条の「第三者」に該当しないため、対抗要件の問題にならない点を押さえる。
結論
誤っているのは選択肢1である。共同相続人の一人が無断で単独名義の相続登記をし、これを第三者に譲渡・移転登記しても、他の共同相続人は自己の持分については登記なくして第三者に対抗できるというのが判例の立場であり、選択肢1の「対抗することができない」という記述は判例に反する。
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出典:法務省「平成24年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
