平成23年 予備試験 短答式 民事訴訟法 第38問 解説
問題
Xは,Aから甲土地を買ったと主張して,甲土地を占有しているYに対し,所有権に基づき甲土地の明渡しを求める訴えを提起したところ,Yは,Aが甲土地を所有していたことは認めるが,Aから甲土地を買ったのはXではなくBであると主張した。Yからこれ以外の主張がなかった場合における次のア及びイの裁判所の判決に関する後記1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
ア.裁判所は,証拠調べの結果,Aから甲土地を買ったのはXではなくCであったとの事実を認定して,Xの請求を棄却する判決をした。
イ.裁判所は,証拠調べの結果,XはAから甲土地を買った後にこれをCに売ったとの事実を認定して,Xの請求を棄却する判決をした。
- ①ア及びイの判決は,いずれも弁論主義に反する。
- ②アの判決は弁論主義に反しないが,イの判決は弁論主義に反する。正解
- ③アの判決は弁論主義に反するが,イの判決は弁論主義に反しない。
- ④ア及びイの判決は,いずれも弁論主義に反しない。
解説
要点
請求原因事実(所有権取得原因たる売買)の存否を否定するために用いる『誰が買ったか』という事実は間接事実にすぎず自由に認定できるが、所有権喪失(第三者への譲渡)という新たな主要事実は当事者が主張しない限り裁判所は認定できない。
結論
選択肢2が正しい。アは、Xの請求原因事実である『XがAから買った』という主要事実の存否を判断するための間接事実(実際に買ったのは誰か)を裁判所が自由心証に基づき認定したにすぎず弁論主義に反しないが、イは、当事者の誰も主張していない『Xが一旦取得した所有権をCに譲渡した』という新たな主要事実(所有権喪失の抗弁)を裁判所が勝手に認定しており、弁論主義(主張責任の原則)に反する。
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出典:法務省「平成23年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
