平成27年 司法試験 短答式 民法 第25問 解説
問題
Aは,Bとの間で,Aが所有する2階建ての甲建物を月額50万円の賃料で賃貸する旨の契約を締結し,甲建物をBに引き渡した。その後,Bは,Aの承諾を得て,Cとの間で,甲建物を月額50万円の賃料で転貸する旨の契約を締結し,甲建物をCに引き渡した。それからしばらくして甲建物の屋根の不具合により雨漏りが発生し,Cは,甲建物の2階部分を使用することができなくなった。この場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Cは,Bに対し,甲建物の屋根の不具合を修繕するよう請求することができる。
イ.Cは,Bが甲建物の屋根の不具合の修繕を拒絶するときは,Aに対し,甲建物の屋根の不具合を修繕するよう請求することができる。
ウ.AがBに対して甲建物の2階部分を使用することができなくなった日以後の賃料の支払を請求した場合,Bは,甲建物の2階部分の割合に相当する賃料については,その支払を拒絶することができる。
エ.AがCに対して甲建物の2階部分を使用することができなくなった日以後の賃料の支払を請求した場合,Cは,甲建物の2階部分の割合に相当する賃料についても,その支払を拒絶することができない。
オ.判例によれば,甲建物の屋根の不具合がCの責めに帰すべき事由によって生じた場合,Aは,Bに対し,甲建物の屋根の不具合により生じた損害の賠償を請求することができない。
- ①ア ウ正解
- ②ア オ
- ③イ エ
- ④イ オ
- ⑤ウ エ
解説
要点
転貸借では、転貸人Bは転借人Cに対して独立の賃貸人として修繕義務・使用収益させる義務を負うが、AC間には直接の契約関係がないため転借人は原賃貸人に直接修繕請求できない。他方、一部使用不能による賃料の当然減額(611条1項)は原賃貸借・転貸借のそれぞれに適用され、613条1項の直接義務も「賃借人の債務の範囲を限度として」縮減する。
結論
正しいのはアとウであり、選択肢1が正解である。転貸借契約に基づきBはCに対して独立の賃貸人として修繕義務を負う(ア)ので、Cはまず契約の相手方であるBに修繕を請求できる。また、目的物の一部が賃借人の責めに帰することができない事由により使用収益できなくなった場合、賃料はその割合に応じて当然に減額されるから(民法611条1項)、BはAに対しその部分の賃料の支払を拒むことができる(ウ)。
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出典:法務省「平成27年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
