平成27年 司法試験 短答式 民法 第23問 解説
問題
賃貸借契約及び消費貸借契約に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.賃貸借契約において賃貸人が目的物の所有者である場合,その目的物の所有権は賃借人に移転しないが,消費貸借契約において貸主が目的物の所有者である場合,その目的物の所有権は借主に移転する。
イ.賃貸借契約は,諾成契約であるから,当事者間の合意によって成立するが,消費貸借契約は,要物契約であるから,当事者間で,当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し,相手方がその引渡しを受けた物と種類,品質及び数量の同じ物をもって返還することを約したとしても,その合意は無効である。
ウ.賃貸借契約における賃料の支払時期も,利息付きの消費貸借契約における利息の支払時期も,当事者の合意により自由に定めることができる。
エ.賃貸借契約において当事者が期間を定めなかった場合に貸主が解約の申入れをしたときは,借主は,法定の期間内は目的物を返還しなくても遅滞の責任を負わないが,消費貸借契約において当事者が返還の時期を定めなかった場合に貸主が返還を請求したときは,借主は,直ちに目的物を返還しなければ遅滞の責任を負う。
オ.賃貸借契約において当事者が期間を定めなかった場合,借主はいつでも解約の申入れをすることができるが,消費貸借契約において当事者が返還の時期を定めなかった場合,無利息の消費貸借契約のときに限り,借主はいつでも解約の申入れをすることができる。
- ①ア ウ正解
- ②ア エ
- ③イ エ
- ④イ オ
- ⑤ウ オ
解説
要点
賃貸借は使用収益権の設定にとどまり所有権は移転しないのに対し、消費貸借は目的物の所有権が借主に移転する点、書面でする消費貸借は諾成契約として有効である点(587条の2)、消費貸借では期限の定めがなくても貸主は『相当の期間を定めて』催告しなければならず、借主は利息の有無を問わずいつでも返還できる点を押さえる。
結論
正しい記述はアとウであり、選択肢1が正解である。アは賃貸借と消費貸借における所有権移転の有無の違いを正確に述べており、ウは賃料の支払時期・利息の支払時期がいずれも当事者の合意で自由に定められる点で正しい。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「平成27年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
