平成27年 司法試験 短答式 刑法 第4問 解説
問題
偽造公文書の行使に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい。
1.行使の目的なしに作成された偽造公文書は,偽造公文書行使罪の客体とならない。
2.偽造公文書の内容,形式を口頭で他人に告知するだけでは,偽造公文書行使罪は成立しない。
3.偽造公文書を相手方に示して錯誤に陥れ,相手方から現金の交付を受けた場合,偽造公文書行使罪は詐欺罪に吸収され,詐欺罪のみが成立する。
4.交際相手と結婚するために自己に生活能力があることを示そうとして,偽造した国家試験合格証書を当該相手に見せた場合,偽造公文書行使罪が成立する。
5.自動車を運転する際,警察官から運転免許証の提示を求められれば提示するつもりで偽造した運転免許証を携帯した場合,偽造公文書行使罪が成立する。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4正解
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
偽造文書行使罪の「行使」とは、偽造文書自体を真正なものとして相手に提示・交付し、その内容を認識させ又は認識し得る状態に置く行為をいい、口頭告知や単なる携帯だけでは足りない。また行使罪と詐欺罪は牽連犯であり、行使の相手方は公務員に限らず私人でもよい。
結論
正しいのは記述2と記述4であり、選択肢6が正解である。行使罪の「行使」とは偽造文書自体を真正なものとして相手に認識させる行為をいうため、口頭告知だけでは足りず(記述2は正しい)、他方で私人に対して偽造の合格証書を見せて生活能力を誤信させる行為は行使に当たる(記述4は正しい)。
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出典:法務省「平成27年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
