平成27年 司法試験 短答式 刑法 第3問オ 解説
問題
次のアからオまでの各事例を判例の立場に従って検討し,( )内の甲の行為とVの死亡との間に因果関係が認められる場合には1を,認められない場合には2を選びなさい。
オ.甲は,面識のないVが電車内で酔って絡んできたため,Vの顔面を拳で1回殴打したところ,もともとVは特殊な病気により脳の組織が脆弱となっており,その1回の殴打で脳の組織が崩壊し,その結果Vが死亡した。(甲がVの顔面を拳で1回殴打した行為)
- ①甲の行為とVの死亡との間に因果関係が認められる正解
- ②認められない
解説
要点
被害者側の特殊事情(脆弱な身体的素因)が結果発生に寄与しても、実行行為の危険性がその結果へと現実化していれば因果関係は肯定される。行為者がその素因を予見できたか否かは因果関係の存否を左右しないというのが判例の立場(最判昭和46年6月17日等)。
結論
選択肢1が正しい。甲の1回の殴打行為とVの死亡との間には因果関係が認められる。Vの特殊な病的素因(脳組織の脆弱性)が介在したとしても、それは行為者の行為に付随して既に存在していた被害者側の事情にすぎず、実行行為の危険性が結果へと現実化したと評価できるからである。
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出典:法務省「平成27年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
