平成26年 司法試験 短答式 商法 第44問 解説
問題
会社法上の公開会社の代表取締役の行為を監督・是正する手段に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.会社法所定の要件を満たす株主は,代表取締役による会社の業務執行に関し,法令に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは,会社の業務及び財産の状況を調査させるため,裁判所に対し,検査役の選任の申立てをすることができる。
2.会社法所定の要件を満たす株主は,取締役に対し,代表取締役を取締役から解任することを議題とすること及びその理由を示して,株主総会の招集を請求することができる。
3.会社法所定の要件を満たす株主は,代表取締役の職務の執行に関し法令に違反する重大な事実があった場合には,その代表取締役を取締役から解任することを議案とする株主総会が開催されたか否かを問わず,訴えをもってその解任を請求することができる。
4.会社法所定の要件を満たす株主は,代表取締役が法令に違反する行為をし,その行為によって会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは,その代表取締役に対し,その行為をやめることを請求することができる。
5.監査役は,代表取締役につき法令に違反する事実があると認めるときは,遅滞なく,その旨を取締役会に報告しなければならない。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4正解
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
会社法854条の解任の訴えは、解任議案が株主総会で否決されたとき等、株主総会で解任が実現しなかったことを前提とする制度であり、総会不要ではない。360条の差止請求は監査役設置会社等(公開会社は原則これに該当)では『著しい損害』ではなく『回復することができない損害』が要件になる点に注意。
結論
誤っているのは選択肢3(854条の解任の訴え)と選択肢4(360条の差止請求)の記述であり、選択肢8「3と4」が正しい。854条の解任の訴えは株主総会で解任議案が否決されたこと等を前提とする制度であり、360条の差止請求は公開会社(監査役設置会社等)では「著しい損害」ではなく「回復することができない損害」が要件となるためである。
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出典:法務省「平成26年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
