SaySayLaw無料で演習する

平成26年 司法試験 短答式 民法 第16問 解説

問題

売買契約においてその目的物であるワインを種類のみで指定し,買主の住所で引き渡すこととされていた場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 ア.売主が債務の本旨に従って買主の住所にワインを持参したのに,買主がその受領を拒んだ場合には,その後売主がそのワインを故意に滅失させたときであっても,売主は,ワインの引渡債務の不履行を理由とする損害賠償責任を負わない。 イ.売主が債務の本旨に従って買主の住所にワインを持参したが,買主がその受領を拒んだ場合において,その後そのワインが保管されていた倉庫が第三者の放火によって焼失し,ワインが滅失したときには,売主は,ワインの引渡債務を免れる。 ウ.売主が債務の本旨に従って買主の住所にワインを持参したが,買主がその受領を拒んだ場合において,その後そのワインが買主の過失により滅失したときは,買主は,ワインの代金債務を免れない。 エ.売主が債務の本旨に従って買主の住所にワインを持参したが,買主がその受領を拒んだ場合には,その1週間後に売主が買主に対してワインの代金の支払を求めてきたときであっても,買主は,ワインの引渡しとの同時履行の抗弁を主張することができない。 オ.買主があらかじめワインの受領を拒んでいる場合において,売主が弁済の準備をしたことを買主に通知してその受領を催告したときは,売主は,約定の期日に買主の住所にワインを持参しなくても,ワインの引渡債務の不履行を理由とする損害賠償責任を負わない。
  1. ①ア ウ
  2. ②ア エ正解
  3. ③イ ウ
  4. ④イ オ
  5. ⑤エ オ

解説

要点
持参債務の種類債権は現実の提供によって特定し(401条2項)、以後は特定物として扱われる。受領遅滞後は売主の保存義務が「自己の財産に対するのと同一の注意」に軽減される(413条1項)が故意の滅失は免責されず、また一度の提供で相手方の同時履行の抗弁権が消滅するわけではない(最判昭和34年5月14日)点に注意。

結論

誤っているのはアとエであり、選択肢2が正解である。アは受領遅滞中でも売主が故意に滅失させた場合には債務不履行責任を免れない点を見落としており、エは一度の現実の提供の後、買主が受領を拒んでも、その後の代金請求に際して売主が再度の提供(少なくとも口頭の提供)をしない限り、買主は同時履行の抗弁権を失わない点を誤っている。

この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
無料で始める

出典:法務省「平成26年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。