平成26年 司法試験 短答式 民法 第15問 解説
問題
法定地上権に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
- ①Aが所有する甲土地に,その更地としての評価に基づき,Bのための抵当権が設定され,その後,甲土地上にA所有の乙建物が建てられた後,抵当権が実行された結果,Cが甲土地の所有者になった場合,Bが抵当権設定時,甲土地上にA所有の乙建物が建てられることをあらかじめ承諾していたとしても,甲土地に乙建物のための法定地上権は成立しない。正解
- ②Aが所有する甲土地に,Bのための第一順位の抵当権が設定され,その後,Bの承諾を受けて甲土地上にA所有の乙建物が建てられ,さらに,甲土地にCのための第二順位の抵当権が設定された後,Cの申立てに基づいて甲土地の抵当権が実行された結果,Dが甲土地の所有者になった場合,甲土地に乙建物のための法定地上権が成立する。
- ③Aが所有する甲土地上に,A所有の乙建物が存在し,その後,甲土地にBのための抵当権が設定され,抵当権が実行された結果,Cが甲土地の所有者になった場合,Aが乙建物の所有権の登記をしていなかったときは,甲土地に乙建物のための法定地上権は成立しない。
- ④Aが所有する甲土地上に,A所有の乙建物が建てられ,その後,甲土地と乙建物にBのための第一順位の共同抵当権がそれぞれ設定され,さらに,乙建物が取り壊されて甲土地上にA所有の丙建物が建てられた場合,その後,丙建物にBのための第一順位の共同抵当権が設定され,甲土地の抵当権が実行された結果,Cが甲土地の所有者になったときであっても,甲土地に丙建物のための法定地上権は成立しない。
解説
要点
法定地上権(民法388条)の成否は、抵当権設定当時に土地上に建物が存在し土地と建物が同一所有者に属していたかを基準に判断し、更地への抵当権設定後に建物が築造された場合は、抵当権者があらかじめ建物築造を承諾していても法定地上権は成立しない(最判昭和36年2月10日)。
結論
選択肢1が正しい。更地に抵当権を設定した後に建物が築造された場合、抵当権者が事前に建物築造を承諾していたとしても、法定地上権は成立しない。これは、法定地上権の成否は抵当権設定時を基準として土地・建物の存在および所有関係を判断すべきという判例法理によるものである。
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出典:法務省「平成26年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
