平成26年 司法試験 短答式 民法 第10問 解説
問題
A大学の図書館所蔵の書籍甲を,同大学教授Bが借り出し,図書館と同一の構内にある自己の研究室で利用していたことを前提として,次の1から4までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.Bが海外出張のため1週間大学を留守にしていた間に,Cが甲を盗み出して現に所持している場合,Bは,Cに対し,占有回収の訴えにより甲の返還を求めることができる。
2.Bが目を離した隙に,Dが甲を盗み出した上,自己の物と偽ってEに売却し,引き渡した。甲にはA大学図書館の蔵書印が押捺されており,Eは,Dが甲を横領したものであると考えていた場合であっても,Bは,Eに対し,占有回収の訴えにより甲の返還を求めることはできない。
3.Bが研究室から自宅に甲を持ち帰る途中,電車内に甲を置き忘れたところ,Fがこれを拾得して現に所持している場合,Bは,Fに対し,占有回収の訴えにより甲の返還を求めることができる。
4.Bは,助手Gに対し,甲の一部について複写するよう指示して甲を預けたところ,Gが目を離した隙にHが甲を盗み出して現に所持している場合,Bは,Hに対し,占有回収の訴えにより甲の返還を求めることはできない。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④2と3
- ⑤2と4
- ⑥3と4正解
解説
要点
占有回収の訴え(民法200条)は『占有を奪われた』場合に限られ、遺失には及ばない。また特定承継人の悪意は『侵奪の事実』についての悪意を要し、横領だと誤信していた場合はこれに当たらない。占有代理関係では間接占有者も占有回収の訴えを提起できる。
結論
誤っているのは記述3と4であり、選択肢6が正解である。記述3は遺失物の拾得に対して占有回収の訴えを認めている点が誤り、記述4は間接占有者による占有回収の訴えを否定している点が誤りである。
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出典:法務省「平成26年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
