平成25年 司法試験 短答式 民事訴訟法 第68問 解説
問題
私文書の成立に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,各記述におけるAはいずれも被告であり,かつ,私人であるとする。
ア.A名義で事件の経過を記載した報告書は,Aの意思に基づいて作成されたことが認められれば,その内容が真実であると推定される。
イ.作成者をAとして提出されたが,Aの署名も押印もない文書につき,裁判所は,他の証拠を併せて考慮することにより,その文書がAの意思に基づいて作成されたと認定することができる。
ウ.作成者をAとして提出された借用証書につき,Aが借主欄に署名したことは認められるが,署名後に金額欄の記載が改ざんされたとAが主張する場合には,当該借用証書は,真正に成立したものと推定されない。
エ.判例の趣旨によれば,Aの氏名が記された印影が私文書中に顕出されている場合には,その文書は,Aを作成者として真正に成立したものと推定される。
オ.作成者をAとして提出された文書にAの署名がある場合には,押印がないときであっても,その文書は,真正に成立したものと推定される。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
民訴228条4項の「署名又は押印」による真正推定と、印影については本人の印章による顕出という「二段の推定」の要件を正確に区別すること。形式的証拠力(成立の真正)と実質的証拠力(内容の真実性)も別問題である。
結論
正しい組合せはイとオであり、選択肢4が正解である。私文書の成立の真正は自由心証主義の下で他の証拠からも認定でき(イ)、民訴228条4項は「署名又は押印」のいずれかで足りるため署名のみでも推定が働く(オ)。
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出典:法務省「平成25年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
