平成25年 司法試験 短答式 民法 第25問 解説
問題
Aは,Bとの間で,期間を平成22年10月1日から起算して2年とし,賃料を毎月末日に当月分を支払うとの約定で,B所有の甲建物を賃借する旨の契約を締結し,敷金をBに交付して,甲建物の引渡しを受けた。その後,Bが,Aに断りなく,甲建物をCに売却し,その日のうちにCへの所有権移転登記もされた。この場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.甲建物の売却が平成23年10月31日に行われた場合,Cは,Aに対し,平成23年11月1日以降の賃料を請求することができる。
イ.甲建物の売却が平成23年10月31日に行われたが,その時点でAの延滞賃料が発生していた場合,Cは,Aに対し,その延滞賃料を請求することができない。
ウ.甲建物の売却が平成23年10月31日に行われたが,Aが甲建物について有益費を支出したのがそれ以前の平成23年9月30日であった場合には,平成24年9月30日に期間満了により賃貸借契約が終了した時点でその価格の増加が現存するときであっても,Aは,Cに対し,その有益費の償還を請求することはできない。
エ.甲建物の売却が平成23年10月31日に行われた後,平成24年9月30日に期間満了により賃貸借契約が終了した場合,Aは,甲建物をCに明け渡した上で,Cに対し,敷金の返還請求権を行使することができる。
オ.平成24年9月30日に期間満了により賃貸借契約が終了した後,Aが甲建物を明け渡す前に甲建物が売却された場合,Aは,甲建物をCに明け渡した上で,Cに対し,敷金の返還請求権を行使することができる。
- ①ア イ
- ②ア ウ
- ③イ エ
- ④ウ オ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
賃貸不動産が譲渡され対抗要件(登記)を備えると、賃借人の承諾なく賃貸人たる地位は当然に新所有者に移転し、将来の賃料債権・費用償還義務・敷金関係も新所有者に承継されるが、既発生の延滞賃料債権や、賃貸借終了後・明渡し前の譲渡における敷金返還債務は新所有者に承継されない。
結論
誤っているのはウとオであり、選択肢4が正しい。ウは有益費償還義務が新所有者に承継されるにもかかわらず「請求できない」としている点で誤り、オは賃貸借終了後の譲渡では敷金関係は新所有者に承継されないにもかかわらず「Cに対し請求できる」としている点で誤りである。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「平成25年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
