平成25年 司法試験 短答式 刑法 第4問オ 解説
問題
次のアからオまでの各事例における甲の罪責について判例の立場に従って検討し,甲に窃盗罪が成立する場合には1を,成立しない場合には2を選びなさい。
オ.甲は,A駅行きの満員電車に乗っていた際,隣の席に座っていた乙がかばんを忘れたままB駅で下車したのを目撃し,乙のかばんとその中身を自分のものにしようと考え,次のC駅で乙のかばんを持って下車し,自宅に持ち帰った。
- ①甲に窃盗罪が成立する
- ②成立しない正解
解説
要点
電車内で他の乗客が置き忘れた物は、置き忘れた者が下車して現実の支配を失った時点で、なお乗務員等の具体的な管理下にない限り占有離脱物となり、これを持ち去る行為は窃盗罪ではなく占有離脱物横領罪にとどまる(大判大正15年11月2日参照)。
結論
甲がかばんを持ち去った時点で、持ち主の乙は既にB駅で下車しており、電車という移動する空間の中でかばんに対する現実の支配・管理を失っている。乗務員等がその存在を具体的に認識して管理を開始したという事情もないため、かばんは占有離脱物(遺失物)にとどまり、甲の行為は窃盗罪ではなく占有離脱物横領罪にあたる。よって選択肢2「成立しない」が正しい。
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出典:法務省「平成25年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
