平成25年 司法試験 短答式 刑事訴訟法 第38問 解説
問題
被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者,直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ。)による意見陳述に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア.刑事訴訟法第292条の2第1項による意見の陳述と刑事訴訟法第316条の38第1項による意見の陳述のいずれの場合であっても,その申出は,あらかじめ検察官にしなければならない。
イ.裁判所は,審理の状況その他の事情を考慮して,相当でないと認めるときは,刑事訴訟法第292条の2第1項による意見の陳述の場合には,意見の陳述に代え意見を記載した書面を提出させることができるが,刑事訴訟法第316条の38第1項による意見の陳述の場合には,意見の陳述に代え意見を記載した書面を提出させることはできない。
ウ.刑事訴訟法第292条の2第1項による意見の陳述と刑事訴訟法第316条の38第1項による意見の陳述のいずれの場合であっても,その陳述は,犯罪事実の認定のための証拠とはならない。
エ.刑事訴訟法第292条の2第1項による意見の陳述と刑事訴訟法第316条の38第1項による意見の陳述のいずれの場合であっても,その陳述は,量刑資料にはなり得る。
オ.刑事訴訟法第292条の2第1項による意見の陳述では,法律の適用についての意見を述べることはできないから,被害者等は,被告人が受けるべき刑罰について,「法律上,なし得る限りの最も重い刑罰に処してください。」と述べてはならない。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ(参照条文)刑事訴訟法第292条の2第1項 裁判所は,被害者等又は当該被害者の法定代理人から,被害に関する心情その他の被告事件に関する意見の陳述の申出があるときは,公判期日において,その意見を陳述させるものとする。第316条の38第1項 裁判所は,被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から,事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において,審理の状況,申出をした者の数その他の事情を考慮し,相当と認めるときは,公判期日において,第293条第1項の規定による検察官の意見の陳述の後に,訴因として特定された事実の範囲内で,申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。正解
解説
要点
292条の2(被害者等による心情等の意見陳述)と316条の38(被害者参加人による事実・法律適用についての意見陳述)は、申出を検察官に対して行う点(292条の2第2項・316条の38第2項)や犯罪事実認定の証拠とならない点では共通するが、書面代替の可否、量刑資料としての機能、法律の適用に関する発言の可否で違いがある点に注意する。
結論
選択肢5(エ・オ)が誤りの組合せである。292条の2の心情等の意見陳述は量刑上の情状として考慮され得るが、316条の38の「事実又は法律の適用」についての意見陳述は同条4項により端的に「証拠とはならない」とされ量刑資料ともならない点でエは誤り、また292条の2において被害者等が処罰感情として重い刑を望む旨を述べること自体は心情の表明として許容されるためオも誤りである。
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出典:法務省「平成25年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
