平成24年 司法試験 短答式 民法 第35問 解説
問題
甲建物を所有していたAが死亡し,Aには子B,C及びDがいるが,遺産分割は未了である場合,次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
- ①BがC及びDに無断で甲建物についてBへの所有権移転登記をした上でこれを第三者Eに売り,Eへの所有権移転登記をした場合,C及びDは,Eに対し,それぞれの持分権を対抗することができない。正解
- ②BがAの死亡後新たに甲建物で居住を開始し,C及びDに甲建物を使用させない場合,C及びDは,甲建物に現実に居住する意思がないときでも,Bに対し,持分の割合に応じた使用料相当額を不当利得として返還請求することができる。
- ③遺産分割がされる前であっても,甲建物について,B,C及びDの法定相続分に応じた持分の割合により,相続を原因とする所有権移転登記をすることができる。
- ④第三者EがBから甲建物の共有持分権を譲り受けた場合,EがC及びDとの共有関係の解消のためにとるべき裁判手続は,共有物分割訴訟である。
- ⑤Bが遺産分割協議書を偽造して甲建物についてBへの所有権移転登記をした場合は,C及びDがその事実を知った時から5年以上経過後に当該登記の是正を請求するときでも,Bは,相続回復請求権の5年の短期消滅時効が完成したことを主張することができない。
解説
要点
共同相続人の一人が無断で単独名義の相続登記をして第三者に譲渡しても、その第三者は他の相続人の持分については無権利者からの譲受人にすぎず、他の共同相続人は自己の持分について登記なくして対抗できる(最判昭38.2.22)。
結論
選択肢1が誤り。共同相続人の一人が無断で単独名義の相続登記をして第三者に譲渡した場合でも、他の共同相続人は自己の持分については登記なくしてその第三者に対抗できる、というのが判例の立場だからである。
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出典:法務省「平成24年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
