平成24年 司法試験 短答式 民法 第3問 解説
問題
錯誤に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
- ①意思表示の相手方が表意者の錯誤を認識していた場合であっても,表意者において錯誤に陥ったことについて重大な過失があったときは,表意者は,錯誤による無効を主張することができない。
- ②売買の目的物に隠れた瑕疵があり,この点について買主が錯誤に陥っていた場合は,錯誤の規定に優先して,瑕疵担保責任の規定が適用されることになる。
- ③裁判上の和解は,裁判所の関与の下にされるものであるから,これについて錯誤による無効を主張することはできない。
- ④表意者に対して債権を有する者は,その債権を保全する必要がある場合,表意者がその意思表示の要素に関し錯誤のあることを認めているときは,その意思表示の無効を主張し,その結果生ずる表意者の債権を代位行使することができる。正解
- ⑤意思表示の動機に錯誤があった場合,その意思表示の錯誤による無効を主張するためには,その動機が表示されていれば足り,その動機が法律行為の内容となっている必要はない。
解説
要点
錯誤による意思表示の無効は本人保護のための制度であるから原則として表意者本人しか主張できないが、表意者が錯誤の存在を自認している場合には、債権者が債権保全の必要から債権者代位権によってこれを主張し得るという判例法理を押さえること。
結論
選択肢4が正しい。表意者自身が錯誤の存在を認めている場合には、表意者に対する債権者は、債権保全の必要があるときに、表意者に代わって意思表示の無効を主張し、それによって生じる債権を代位行使できるとするのが判例の考え方である。
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出典:法務省「平成24年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
