平成24年 司法試験 短答式 憲法 第8問ウ 解説
問題
次の見解は,憲法第25条の第1項と第2項との関係について論じたものである。この見解に対する論評としてなされた次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。「憲法第25条第1項は,健康で文化的な最低限度の生活を営む国民の権利を定めており,同条第2項は,国民が健康で文化的な最低限度の生活を上回る生活を営むことのできるような施策をなすべき国の責務を定めている。したがって,同条第1項による健康で文化的な最低限度の生活の水準については,具体的な事情の下では一定の基準が確保されている必要があるが,同条第2項による施策の内容は,立法府の裁量に委ねられているものである。」
ウ.この見解によると,憲法第25条第1項により保障される権利を具体的に実現するために,同条第2項に基づいて国の各種の施策が実施されることになる。
- ①正しい
- ②誤っている正解
解説
要点
25条1項・2項を峻別する見解(いわゆる1項・2項分離論)では、1項の権利は2項の施策を介さずそれ自体で保障される最低限度であり、2項の施策はそれを上回る水準を目指す独自の国の責務にすぎない。したがって「1項の権利を実現するために2項の施策がある」という一体的理解とは相容れない。
結論
選択肢2(誤り)が正しい。この見解は25条1項と2項を別個独立の規定と捉える立場であり、2項の施策は1項の権利を実現するための手段ではなく、1項とは別に「最低限度を上回る生活」を目指す独自の国の責務にすぎないから、記述ウのような一体的理解とは論理的に矛盾する。
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出典:法務省「平成24年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
