平成24年 司法試験 短答式 刑法 第19問 解説
問題
次の1から5までの各記述のうち,事後強盗の予備行為に強盗予備罪の成立を認める見解の根拠となり得るものを2個選びなさい。
1.窃盗の実行に着手した後,財物窃取前に被害者に発見されたため,同人に暴行・脅迫を加えて財物を強取するいわゆる居直り強盗の場合と,事後強盗の場合を,予備段階で区別するのは実際上困難であり,両者の処罰に差異を設けることは妥当でない。
2.条文の配置上,事後強盗罪の処罰規定が強盗予備罪の処罰規定の後に規定されていることを考慮すべきである。
3.実質的に窃盗の予備を処罰することになる。
4.事後強盗罪に関する刑法第238条は,「強盗として論ずる。」と規定している。
5.事後強盗罪は,窃盗犯人であることを身分とする身分犯であり,身分犯の予備行為は,身分者でなければ行うことができない。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4正解
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
事後強盗の予備に強盗予備罪を認める肯定説の根拠は、①居直り強盗との区別の困難性・処罰の均衡、②238条の「強盗として論ずる」という文言による強盗との同視、の2点。これに対し、③実質的に窃盗の予備を処罰することになる、⑤窃盗犯人という身分を備えない段階では身分犯の予備を観念できない、②237条が238条より前に置かれている(237条の「強盗」は236条の強盗を指す)は、いずれも否定説の根拠である。
結論
正解は選択肢3(1と4)である。事後強盗の予備段階で強盗予備罪の成立を肯定する見解は、①居直り強盗と事後強盗を予備段階で区別することが困難であり処罰に差を設けるべきでないという実質論(記述1)と、②刑法238条が事後強盗を「強盗として論ずる」と規定していることから事後強盗を強盗と同視できるという条文解釈論(記述4)を根拠とする。
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出典:法務省「平成24年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
