平成23年 司法試験 短答式 民法 第29問 解説
問題
不当利得に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
- ①AがBからだまし取った金銭で自己の債権者Cに弁済した場合,Cがこの事実を知らなかったことにつき重大な過失があったとしても,Cが受けた弁済による利益は,Bとの関係で不当利得にはならない。
- ②Aは,Bに対して債務を負っており,その弁済期前であることを知りながらその債務を全額弁済した場合,Bがそれを弁済期までの間に運用して利益を得ていたときは,その利益は,Aとの関係で不当利得となる。
- ③大麻の密売人Aは,Bに対し,Aが売るための大麻をAの所有する土地でBに栽培させるために,その土地を書面によってBに贈与し,Bに引き渡したが,登記名義はAのままであった。その後,Aが大麻を売るのをやめ,Bに対して当該土地の引渡請求をした場合には,Aの請求は認められる。正解
- ④不法な原因のために,書面によって土地を贈与し,これを受贈者に引き渡した場合において,当事者間で当該贈与契約を解除して当該土地を贈与者に返還する旨の合意をしたときは,この合意は,無効である。
解説
要点
不法原因給付(民法708条)の「給付」は、既登記不動産については単なる引渡しだけでは足りず、所有権移転登記の完了まで要する。登記が未了であれば給付は完了しておらず、贈与者は返還請求ができる。
結論
選択肢3が正しい。既登記の土地について、引渡しはあったが所有権移転登記が未了である場合、判例は民法708条にいう「給付」が完了していないとし、贈与者Aからの返還請求(引渡請求)を認める。他の選択肢はいずれも判例の結論と逆の内容になっている。
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出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
