平成23年 司法試験 短答式 民法 第10問 解説
問題
占有に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。
1.所有者のない動産を所有の意思をもって占有することによって,その占有者は,その動産の所有権を取得する。
2.占有者が物の占有を奪われたときは,奪われる前のその占有が所有の意思をもってする場合であっても所有の意思をもってする場合でなくても,占有回収の訴えによりその物の返還を請求することができる。
3.占有者は,善意で,平穏に,かつ,公然と占有するものと推定されるが,所有の意思は推定されない。
4.権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合において,占有者が新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めたときは,その占有の性質は,所有の意思をもってする占有に変更される。
5.所有の意思をもって物を占有していた被相続人から相続人が相続により占有を承継した場合,被相続人が所有の意思をもって占有していたことをその相続人が知った時に,その相続人の占有は,所有の意思のある占有となる。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5正解
- ⑩4と5
解説
要点
占有には所有の意思の推定(186条1項)が働き、占有回収の訴え(200条)は他主占有でも認められる一方、相続も新権原になり得る(最判昭46.11.30)が、自主占有への転換には単なる認識ではなく、相続人が独自に所有の意思をもって占有を開始したと外形的客観的にみられる事情が必要である。
結論
誤っているのは選択肢3と5であり,正解は選択肢9である。3は民法186条1項が所有の意思も含めて推定すると定めているのに「所有の意思は推定されない」としている点で誤り,5は相続による占有承継について,単に被相続人の占有が所有の意思あるものだったと知ったというだけで当然に所有の意思のある占有になるとしている点で誤りである。
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出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
