平成23年 司法試験 短答式 刑法 第2問ア 解説
問題
次のアからオまでの各事例を判例の立場に従って検討し,( )内の甲の行為とVの死亡との間に因果関係が認められる場合には1を,認められない場合には2を選びなさい。
ア.甲は,深夜,高速道路上で自動車(甲車)を運転中,大型トレーラー(乙車)を運転中の乙とトラブルになり,乙車の進路を妨害した上,追越車線上に乙車を停止させた。甲は,甲車から降り,乙を降車させた上,路上で乙に暴行を加えた後,甲車を運転して立ち去った。乙は,甲が立ち去った後,甲に奪われないためにズボンのポケットにエンジンキーを入れていたのを失念し,乙車を追越車線上に停車させたまま,エンジンキーを探していた。甲が立ち去ってから約5分後,後方から自動車を運転してきたVは,乙車を発見するのが遅れて自車を追突させ,Vはそれにより死亡した。(甲が乙車を追越車線上に停止させた行為)
- ①甲の行為とVの死亡との間に因果関係が認められる正解
- ②認められない
解説
要点
高速道路の追越車線上に自動車を停止させる行為が生み出した危険が、被害者車両側(乙)のキー探しという落ち度ある対応を介してもなお後続車の追突という結果に現実化したと評価できる場合、因果関係は肯定される(最決平成16年10月19日)。
結論
選択肢1が正しい。甲が乙車を追越車線上に停止させた行為自体が、後続車との衝突という重大な危険を生じさせるものであり、その後の乙の行動(キー探し)を経たVの追突・死亡は、この危険が現実化した結果と評価できるため、甲の行為とVの死亡との間に因果関係が認められる。
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出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
