平成22年 司法試験 短答式 民事訴訟法 第68問 解説
問題
東京都目黒区に住所を有するXは,自ら自動車を運転して横浜市内の交差点に差し掛かったところ,静岡市に住所を有するYの運転する自動車と衝突する交通事故に遭った。そこで,Xは,Yを被告として,不法行為に基づく損害賠償を求める訴えを提起した。この事例に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。
1.Xは,250万円の支払を求める訴えを静岡地方裁判所,横浜地方裁判所又は東京地方裁判所に提起することができる。
2.Xが慰謝料の支払のみを求める場合,Xは,請求の趣旨として「被告は,原告に対し,裁判所が相当と認める金額を支払え。」と記載すれば足りる。
3.Xが,50万円の治療費及び200万円の精神的損害が発生したとして,250万円の損害賠償を求めた場合において,証拠調べの結果,60万円の治療費,100万円の精神的損害が発生したと認定したときは,裁判所は,Yに150万円の支払を命じるにとどめなければならない。
4.事故の発生について自己に2割の過失があったと考えたXが,300万円の損害の一部請求である旨を明示して240万円の損害賠償を求めた場合において,裁判所が,Xには300万円の損害が発生していること及びXに5割の過失があることを認定するときは,裁判所は,Yに150万円の支払を命じなければならない。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4正解
- ④2と3
- ⑤2と4
- ⑥3と4
解説
要点
不法行為に基づく金銭損害賠償請求は、被告の普通裁判籍地・不法行為地に加え、持参債務の原則(民法484条)により原告の住所地(義務履行地)にも管轄が認められる。また一部請求における過失相殺は外側説(過失相殺後の残額と請求額を比較)による。
結論
正しいのは記述1と記述4であり、選択肢3が正解である。記述1は義務履行地管轄により東京地裁にも提起できる点で正しく、記述4は一部請求における過失相殺の外側説を正しく適用した結論になっている。記述2・3はいずれも処分権主義・訴訟物論の理解を誤っている。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
