平成22年 司法試験 短答式 民法 第8問 解説
問題
差止請求権等の他人に対し行為を請求する権利に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.裁判所は,他人のプライバシーを侵害した者に対し,被害者の請求により,損害賠償に代え,プライバシーを保護するのに適当な処分を命ずることができる。
イ.隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは,自らその枝を切除することはできるが,その竹木の所有者に,その枝を切除させることはできない。
ウ.一般財団法人の理事が専ら法人の業務として管理している物を他人が侵奪した場合において,その他人に対し占有回収の訴えを提起して返還を請求することができる者は,その一般財団法人であり,理事個人ではない。
エ.親権者の下で監護されている幼児で意思能力のないものを連れ去り,その子を不当に拘束している者に対しては,人身保護法に基づく救済を請求することができる。
オ.通行のために設定された地役権を有する者は,承役地のうち通路として開設された部分に物件を置いて通行を困難にする者に対し,通路である土地の部分の明渡しを請求することができる。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
差止請求・妨害排除請求は、その権利が目的物の占有・支配を伴うか否か(および名誉毀損固有の制度か否か)によって、認められる救済の内容(撤去にとどまるか明渡しまで及ぶか)が変わる。条文の要件と判例の射程から丁寧に確認する。
結論
誤っているのはイとオであり、選択肢4が正しい。イは民法233条1項が隣地の竹木の所有者に枝を切除させることを認めている点と正面から矛盾し、オは通行地役権に基づく請求として「明渡し」までは認められない点で誤っている。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
