平成22年 司法試験 短答式 商法 第49問 解説
問題
株主代表訴訟に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.株主は,株式会社に著しい損害が生ずるおそれがある場合には,株式会社に対する提訴請求をすることなく,直ちに株主代表訴訟を提起することができる。
イ.株主代表訴訟は,株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所のほか,会社法上の公開会社にあっては,当該株主代表訴訟を提起する株主の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
ウ.株式会社が取締役を補助するために株主代表訴訟に参加することは,できない。
エ.判例によれば,取締役が株式会社との取引によって負担することになった債務についての責任は,株主代表訴訟により追及することができる。
オ.株主代表訴訟を提起した株主が敗訴した場合であっても,悪意があったときを除き,当該株主は,株式会社に対し,これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ正解
解説
要点
株主代表訴訟の提訴請求前置の例外は『回復することができない損害』(847条5項)であり『著しい損害』ではない点、管轄は本店所在地の地方裁判所の専属管轄(848条)である点、会社は取締役を補助するため参加できる(849条1項。ただし849条3項により監査役等全員の同意が必要)点、敗訴株主の責任免除は852条2項である点を正確に押さえる。
結論
正しい組み合わせはエとオであり、選択肢5が正解である。エは取締役が会社との取引で負担した債務についての責任も株主代表訴訟の対象となるとする判例法理(最判平成21年3月10日)、オは敗訴株主の会社に対する損害賠償責任は悪意がある場合に限られるという会社法852条2項の規定に合致する。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
