平成22年 司法試験 短答式 民法 第3問 解説
問題
取消しに関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.第三者の強迫によって不動産の売却を承諾した者は,売買の相手方が強迫の事実を知らなかった場合には,その承諾を取り消すことができない。
イ.相手方の詐欺によって不動産の売却を承諾した者は,その承諾を取り消す前に善意の第三者がその不動産を譲り受けて登記を備えた場合において,取消しをその第三者に対抗することができない。
ウ.民法上の詐欺に該当しない場合であっても,事業者が不動産の売買契約の締結について勧誘をするに際し,重要事項について事実と異なることを告げたことにより,消費者がその内容が事実であるとの誤認をして契約の申込みをしたときは,消費者は,その申込みを取り消すことができる。
エ.未成年の時における不動産の売買により代金債務を負担した者は,成年に達した後にその代金を支払った場合であっても,売買の当時未成年者であったことを理由としてその売買を取り消すことができる。
オ.取り消された行為は,初めから無効であったものとみなされるのが原則であるが,婚姻及び養子縁組の取消しは,いずれも将来に向かってのみその効力を生ずる。
- ①ア エ正解
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤ウ オ
解説
要点
第三者による詐欺は相手方の善意・悪意で取消しの可否が左右される(96条2項)が、第三者による強迫にはこの制限がなく常に取り消せる点、法定追認は「追認をすることができる時以後」の履行があって初めて成立する点を押さえる。
結論
誤っているのはアとエであり、選択肢1が正しい。アは第三者強迫の場合に96条2項(詐欺のみに適用される相手方の悪意・有過失要件)を誤って適用した記述であり、エは成年に達した後に代金を支払った行為が法定追認(125条1号)にあたり、もはや取消しができなくなる点を見落としている。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
